自家製ベーコンシリーズ#1、2に続き、ついに燻煙の#3です。前回はこちら
上の写真のようにピチットシートで巻いて水分を抜くところまでが前回のお話でした。
ここでは、燻煙前の準備~燻煙完了、そして最後の仕上げまでをご説明しています。
成形→乾燥
前回、ピチットシートに豚バラ肉を包んで冷蔵庫で放置するところまでお話ししていますが、ここから1日半(20時→翌々日の8時半くらいまで)冷蔵庫放置しています。
燻製前夜は外気に晒そうと思いましたが、雨天だったので引き続きピチット脱水を続けました。
ピチットシートを外すと、ちょうど良く引き締まったお肉になっていたので、これをタコ糸で縛って成形。スモーカーの蓋裏についている引っ掛けバーにフックを引っ掛け、上から吊るして燻煙するという計画です。
…と思ったのですが、今回用意した豚バラ肉が長すぎて、スモーカーの底(チップを置くところ)に付いてしまうことが判明。急遽、長さを半分に切って網に立てて置いた状態で燻煙することにしました。
そのまま立てたのでは倒れてしまうので、竹串を刺して安定させています。この方が適度に隙間ができるので、煙も回りやすい。
肉のセッティングが終わったところで、空焚きして肉の表面を乾燥させます。炭だけを入れて、庫内温度が70℃くらいになるようにして1時間弱、お肉の表面を乾燥させます。こうすることで燻煙が肉に付きやすくなるとのことです。
このとき、庫内温度が上がり過ぎるようなら脂がどんどん落ちてしまうので注意が必要です。ピチットシートの力でかなり水分が抜けているので、表面が乾くのにそれほど時間はかかりませんでした。
スモーカーはこちら……ではなく、同じコールマンでもこちらよりも安い温度計なしのものを使っています。
が、うちで使っているのは生産終了なのか、もう見かけなくなってしまいました。でも、温度計付きの方が絶対便利なので、今後購入予定がある人は温度計が付いたものをおすすめします。
いよいよ燻煙
お肉を乾燥させた後はいよいよ燻煙です。
今回は手軽にチップをブロック状に固めたスモークウッド(カインズホームで500円くらい)を使用しました。種類はお肉に合うという桜のチップを使っています。
このスモークウッドの端に着火して入れ、燃え尽きるのを待つだけです。また、庫内温度を70~75℃に維持できるように、小さな炭を数個入れています。(同時進行で七輪で炭をおこし、焼き鳥を焼きながら燻煙していました。)
今回はいわゆる「温燻」、60℃~90℃以下の中温での燻煙です。今までの経験上、80℃を超えると脂身から大量の脂が滴って炎上してしまうので、75℃を超えないように注意を払います。温度計が付いたスモーカーではないので、空気穴に温度計を差し込んで確認しています。
↑こちらが燻煙開始2時間の様子。この写真の撮影後、肉を上下入れ替えています。これくらいで燻煙をやめるレシピもありますが、私はスモークウッドを残すのがもったいないので、燃え尽きるまで(目安4時間)きっちり燻煙を続けます。
こちらが燻煙完了直後の姿。スモークウッドが燃え尽きたのは4時間半経過した後でした。意外と長めの燻煙になりましたね。出来上がったベーコンを取り出したら、スモーカーの出番は終了です。
ボイル
自家製ベーコンはこれで完成ではありません。まあ、この時点でも美味しく食べられるのですが、ここで保存性を高めるためにボイルして中まで火を通します。
肉を3本ずつジップ袋に入れ、空気を抜いて真空状態にします。そして、底に網を敷いた大きな鍋に袋ごと入れて、75℃~80℃以下の温度で1時間加熱します。袋に穴が開いていたりきちんと閉じられていなかったりすると、ベーコンの旨みが全てお湯に出てしまうので要注意。
加熱終了後は冷めるまで袋から出しません。かなり脂と肉汁が出ますが、肉汁は冷めると肉の中に戻ります。脂は肉には戻らずほとんどそのままですね。
冷めた後、一本ずつラップに包んでジップ袋に入れて冷凍します。今回は大きなところは1本をさらに二等分にしました。
袋に残った脂は勿体ないですが捨てました。燻煙臭が強くてラードとしては使えないのです。
完成後の重量は2.5kg、歩留まりとしてはなかなかのものです。
寝かせて風味を落ち着かせる
ラップで包んだ後は、冷蔵庫に入れて燻煙臭が落ち着くのを待ちます。燻煙した当日は風味が強すぎてよく味わえないんですよね。レシピによっては剝き出しの状態で陰干しをするものもありますが、最終加熱工程を終了しているのでここからは常温に置かないように気を付けます。(食べる時には必ず再加熱しますが)
スライスするなら、冷蔵庫で脂身が冷えて固まるのを待ってから。でないと簡単に崩れてしまいます。
肉がしっかり締まるのを待ってからスライスした様子↓今回の出来は上々です!
発色を促す亜硝酸ナトリウムは使用していないので、赤身の色は薄めです。亜硝酸ナトリウムは添加物ですが、微生物(特にボツリヌス菌)の繁殖を抑えるので販売用には欠かせないものだそうです。これは一般人には手に入りにくい添加物ですし、新しいうちに人に差し上げたり冷凍して早めに食べてしまうので、家庭用なら使用する必要は無いかなと思っています。
さいごに
これにて、今回のベーコンづくりは終了です。
しっかり密閉して冷凍すれば、半年くらいは大丈夫という意見もありますが、うちでは三カ月くらいで食べきります(それでも長い方かも)。ご自宅で冷凍保存するときは、自己責任で!
食べる時は1ブロックずつ解凍して、半解凍のうちに食べやすい大きさに切って使います。その後は冷蔵庫保存ですが、1ブロック200gくらいですからすぐに食べきれます。
これから北海道はアスパラガスの季節がやって来るので、この自家製ベーコンを巻いてアスパラベーコンにして食べるのが楽しみです。
次回は10月~11月、やはり食中毒の心配がない気温と、近隣が窓を開けない&洗濯物を外干ししない季節を狙って作る予定です。
余談ですが、煙でちょっと喉を痛めたような気がします。風下を避けたつもりだったのですが、やはり多少吸ってしまうのは仕方がないですね。
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