毎年1月になると、バレンタイン用に柑橘類の皮の砂糖漬けを作ります。
大体旬が一致するいよかんの皮を使うことが多いですね。
今年は目先を変えて、皮だけではなく輪切りにして果肉ごと砂糖漬けにしたもの「コンフィオレンジ」を作りたいと思います。これをチョコ掛けしたやつも美味しいですよね……。
皮だけならいよかんで十分ですが、果肉も使うとなるとちょっと不安があるので(後述)、いよかんと同じく今が旬の国産オレンジ、「天草オレンジ」も使って2種類のコンフィを作ってみます。
天草オレンジって?
スーパーの果物売り場では「天草オレンジ」とポップが立てられていましたが、正式名称は「あまくさ」という品種らしいです。
これはアメリカなどから入ってくるオレンジとはちょっと違い、清見と温州ミカン、そしてページオレンジという品種を掛け合わせて作られた品種だそうです。
あまくさという名前でも、産地は愛媛県。
外果皮が薄いのが特徴らしい……。これももしかしたら皮を美味しく食べるための砂糖漬けには向かないかも?!
味を見るためにひとつ生のままで食べてみます。
皮うっす!!
果肉は温州みかんのように甘く、でもオレンジっぽい華やかな香りもする。美味しいです。
これは煮ちゃうより、生で食べるのがベストなんだろうなぁ。
でもせっかく買ったので、煮ます。皮が薄いので煮崩れに注意せねば。
なお、この生食後の皮は別にとっておいて、後日あまくさピールも煮ました。
一週間かかります!バレンタインに使いたいなら今すぐ始めろ!
前にいよかんピールを作ったときも言ったような気がしますが、このコンフィは作り始めから食べられるまで(お菓子作りに使えるようになるまで)一週間かかります!
だから、2/13あたりにバレンタインチョコを作るとしたら、2/5か6には始めないと間に合わない。
そのうえ、お菓子によっては洋酒に漬けたり、砂糖衣をかけて乾かしたりする作業も入ってくるので、その場合はコンフィはもっと早くできていなければいけないのです。
日数はかかりますが、手間がかかるのは初日だけなので、是非お早めに作り始めることをおすすめします。できあがったものは日持ちしますしね。
コンフィいよかん&コンフィ天草オレンジを作る
さて作っていきます。あまくさといよかん。いよかんの方がかなり大きい。
全てをコンフィにすると消費しきれない(ピールよりも日持ちしなさそう)ので、あまくさ3個、いよかん2個で作ります。麻雀牌っぽく並べてみる。
1日目 洗い&穴あけ&ゆでこぼし&水さらし開始
まず、これらをよーくよーく洗います。
そして水けを軽く切り、針で皮にたくさん穴をあけます。これは丸ごと水にさらして苦みを抜くためで、たくさん開けた方が苦くない仕上がりになるそうです。皮だけの砂糖漬けだとゆでこぼしを何度もすればいいけど、果肉ごととなると、ゆでこぼし回数が多いと煮崩れリスクが高くなる。
穴あけ後、沸騰したお湯で5分ほどゆで、水にさらします。いよかんは気持ち長めに、7分ほどゆでました。
これを新たな水に入れ、浮いてこないように落し蓋などして水にさらします。時間はまるまる2日間!
2日目、3日目前半 水さらし
丸2日、48時間の間、水を5~6回くらい替えます。私は1日目就寝前、2日目起床後、夕方、就寝前、3日目起床後の5回替えました。大体8時間おきくらい。
置き場所は冷蔵庫がベスト。うちは玄関が寒いので、そこに置きました。
温かいところは腐ってしまうのでやめた方が良いでしょう。
結果的に、いよかんの方だけ丸二日漬けても若干苦みが残った。あまくさは苦みが少ないのが特徴らしいです。
が、ちょっと苦いくらいの方が好きなので気にしない。
3日目後半 輪切り&シロップで煮る
水さらし完了後のいよかんとあまくさのヘタを取り、5mm輪切りにし、果肉と外皮を崩さないように気を付けながら種を取る。
ここで薄くしすぎると後で煮崩れの原因になります。5mm以上は欲しいところです。
輪切りにしてみると、いよかん(上)の方が密度が低く、薄皮の間にすき間があることがわかります。
外皮が厚いから煮崩れしにくいと思ったのは誤りだったかも。結果的に、外皮が薄いあまくさの方がきれいに仕上がりました。
シロップを作ります。材料、水400ml、砂糖300g。
これを煮溶かし、輪切りを並べます。ここから完成までオレンジを鍋から出すことが無いので、この段階できれいに並べる。
隙間を作らないように並べないと、シロップが足りなくなります。でも、ぎゅうぎゅうだと煮崩れの原因になるので、丁寧かつ密になるように頑張りましょう。
18cmの鍋に天草3個といよかん2個をぴっちり並べてこの量の汁がちょうど良かった。これよりたくさん作る場合は、水と砂糖が4:3になるようにします。後日足す砂糖の量も増えるので、計算に注意。
紙蓋をして中弱火で15分煮る。
15分煮たら火を止め、紙蓋をしたまま、さらに鍋の蓋もして冷暗所に1日置きます。
4日目 シロップに砂糖を溶かし鍋に戻す→一晩放置
翌日、一回り小さい皿などで押さえながら鍋から汁だけを別鍋に取り出し、砂糖100gを溶かし、沸騰したらこれをオレンジの上に注いで蓋をして一日放置します。
5、6日目 4日目と同じ
翌日と翌々日、同様に汁だけ取り出し、砂糖を100g溶かして鍋に戻し放置をもう2回繰り返す。
4日目に比べ、6日目は果肉のハリが無くなっています。砂糖による浸透圧で水分が抜けている証拠。
ワタの部分も透明感が出ている。
7日目 果実ごと煮詰めて冷まし完成
最終日です!最終日は果実が入ったままの鍋を弱火にかけ、シロップが105℃になるまで煮詰めてから火を止めます。この日は砂糖は足しません。
この105℃まで煮詰めるというのが、すごく時間がかかるのです。1時間以上は煮ました。
もう少し強い火でも良かったのかもしれませんが、汁がふきこぼれて周りが汚れるのが嫌で、ごくごく弱火でやりました。
これを自然に冷ましたら完成!
冷めたところで一枚ずつ取り出してみます。
左があまくさ、右がいよかん。
いよかんはやっぱり果肉部分が減ってスカスカした感じになってしまいました。このほか、外皮が切れてしまったものや、薄皮同士が離れてピロピロになったものなどもある。丸のままチョコ掛けできる状態のものは少なかったです。
形は悪いけれど味は美味しいです、ほろ苦さがいい。まだちょっと薄皮に歯応えがあるかな?という感じ。
あまくさの方は意外と果肉がしっかりしている。全体を見ても、煮崩れているものは無かった。予想と違い、コンフィ向きなのかもしれない。
味は苦み少なめ、薄皮も柔らかいです。ちょっと乾燥させてチョコ掛けしたら見た目もきれいにできそう。
保存は汁ごと瓶に入れて冷蔵、またはジップ袋に入れて冷凍
これでオレンジコンフィは完成ですが、保存は煮沸消毒した瓶にシロップごと入れて冷蔵庫保管か、ジップ袋に並べて入れて冷凍保存ができます。
個人の経験ですが、この手の砂糖漬けはシロップにしっかり漬け込んで、取り出す際の衛生に気を付ければ冷蔵庫でも1年くらいは余裕でもちます。
心配だという人は冷凍が安心ですよ。
【おまけ】シロップを煮詰めればパートドゥフリュイ的なものに
今回作ったコンフィは保存するまでもなく使い切ってしまったので、シロップがたくさん残ってしまいました。
このシロップ、単なる砂糖水ではなく、柑橘の果汁、果皮のペクチンがたっぷり入っていて、これだけで結構美味しいんですよね。
これだけペクチンと果汁の酸が入っていれば、ゼラチンを入れずとも固まるはず……。
そう思い、しっかり煮詰めて深皿などに流すとすぐにグミキャンディのようにブルブルに固まりました。
これだけだと皿から出しにくいので、冷蔵庫で固めてからヘラでこそぐようにして取り出し、グラニュー糖をまぶしながら切る。
これでパートドゥフリュイっぽいものになります。少し伸びる食感で、本物のパートドゥフリュイとはちょっと違うかもしれませんが、これはこれで美味しい。
冷蔵庫で保管すると出来の悪いキャラメルのようになり、歯にくっつくので常温保存してください。
思い付きで作ったためどれくらい煮詰めたかの記録が無いのですが、上の画像くらい細かい泡が出るまで煮詰めてうまくできました。
是非お試しください。
後日、このコンフィを使ったチョコ菓子とケーキを作ります
これで天草オレンジ&いよかんコンフィは完成ですが、ここからお菓子作りに活用させたいという人も多いと思います。
私も今回、完成後チョコ掛けするつもりで作りました。
このコンフィのチョコ掛けと、輪切りを飾りに使ったパウンドケーキを後日作ります。
とりあえず、今日はここまで!
最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント
こんにちは(^o^)
オランジェットにしたらどちらも美味しいでしょうね〜!
そういえばこの前、金柑のコンフィにチョコをかけた、いわゆる金柑ジェット(?)を食べましたが、甘くてジューシーだし、一口サイズなのも相まってとんでもない量を食べてしまいました笑
もし機会があったら金柑でもぜひ!
コメント失礼しました〜。
ちゃちゃまるさん!お久しぶりです~
オランジェット、実はもう作って味見済みなのですが、乾燥させすぎたけれど味はgood!でした。
同時に載せるオレンジケーキがまだできていないので、来週あたり更新予定です~。
金柑ジェット(いい名前!)も絶対美味しいですよね。お酒にしっかり漬けて、全体をチョコで覆ってウイスキーボンボンみたくしたらどうでしょう。
金柑コンフィは煮る前に種を取るのが大変ですが、安く買えればやってみようかなと思います。昔作ってレアチーズケーキに入れたの、美味しかったな……。
またコメントお待ちしてます!ありがとうございます。