私のお菓子作りのルーツとも言えよう本が、こちらの「ミニレディー百科シリーズ 世界のおかし作り」でございます。
私が生まれた頃に出版された本で、買ったのは幼稚園児くらいの頃でしょうか。
児童書ですから成長と共に読まなくなり、いつの間にか実家の方で処分したようです。
それが大人になった今、読みたくて読みたくて……!ついに図書館で借りてきてしまいました。
児童書とは思えない充実の内容「世界のおかし作り」
読者層は小学生くらいの女の子のミニレディー百科シリーズ。
料理製菓系だけではなく、ビーズ手芸や占いなど女子が好きそうなテーマの本がたくさん。
それだけではなく「学校ってなんだろう」とか「わたしってなに?」などの哲学的なテーマの本もあったようです。これ、読んでみたかった……。うちにはビーズ手芸やクッキング系しか無かったな。
中でも何度も読んだのがこの世界のおかし作り。
驚くのはその内容。簡単なクッキーとかゼリーとかではなく、世界中のマニアックなお菓子が載っています……。
フランスやスイスくらいは10歳に満たない私でも知っていましたが、リヒテンシュタインなんて国、この本で初めて見ましたよ。
この本に出会わなければ、リヒテンシュタインを知るのは大人になってからだったかもしれない。
書籍はこんなカラーページと、作り方を解説している白黒、もしくは赤黒の2色印刷ページで構成されています。
このページにある「ローゼンキューヒライン」、憧れたわぁ……。今作り方を見れば、何のことは無い型に付けて揚げた天かすのようなものだと思うのですが、この形と名前に乙女心をくすぐられたのです。
また、パンナコッタやシュバルツベルダー・キルシュトルテ、ガレット・デ・ロアなどの、今ではかなり知名度が高いお菓子も載っています。
でも、恐らく出版当初は普通のケーキ屋さんにはなかなか置いていないお菓子だったはず。
だって初版が1980年ですよ……。その当時で考えると、小さな女の子向けの本とは思えない内容です。
著者の今田美奈子先生とは
著者の今田美奈子先生という方は、スイス、ドイツ、フランスなどの製菓学校で学んだ、洋菓子界の巨匠とも呼ばれる方です。
今では当たり前に食べられている西洋菓子の数々は、この方のご活躍無しでは日本に広まっていなかったのではと言われるほど。
現在でもご存命で、食卓芸術サロンというテーブルセッティングやマナー、製菓などのお教室を主宰されています。
また、新宿高島屋にはサロン・ド・テ・ミュゼ・イマダミナコというティーサロンもあるそうです。一度は行ってみたい……。
近年ではロリータファッションとのコラボなどもされていて、ますますご活躍されているようです。これからもお元気でいてほしい方ですね。
今買うとバカ高いので、図書館へ
本の話に戻ります。
この世界のおかし作り、40年近くも前の書籍ということで、既に廃版となっております。
中古で買えないことはないようですが、名作ということもあり、かなりの高値が付いています。
ちなみに、今Amazonで買うと、中古で3万円近くします……。
定価は580円と書かれています。(「+税」という記載がないので、消費税導入前の本ということがわかる)
それが3万とは……。
さすがに3万も出せないので、図書館を利用することにします。漫画や文庫ではなくハードカバーの児童書だし、少なくとも中央図書館にはありそうだ……。
札幌市のHPで市内全域の図書館の在庫を調べられるので、そちらで検索すると、中央図書館のほか、伏古図書館にもあるとのこと。
どちらも遠いですが、ちょうど伏古の業務スーパー(図書館の隣です)に行きたかったので伏古の方へ行って借りてきたという次第です。
札幌市民になって初めて図書館を利用しましたが、ありがたみをひしひしと感じました。
返却までにじっくり熟読して、必要なところはコピーして(もちろん私的利用の範囲でね)おこうと思います。
札幌市にお住まいでこの本を読みたい方、伏古と中央にありますよ。
ミニレディー、侮れない
大人になって改めて読み返しても、かなり専門的なことを書いていると思いました。
手に入りにくい材料や器具もたくさん出てきますし、コラムも先生の留学時のお話が多く、子供には難しいものもあります。
でも、お菓子作りを始めた頃にこんな内容に触れられたおかげで、今の好奇心が培われたとも思っています。良い時期に、良い本に出会えました。
恐らくほかのミニレディーシリーズもハイクオリティなのではと推測できるので、機会があれば他のものも読んでみたいです。
ということで今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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