ここしばらく、製菓用米粉を使ったパンやお菓子を作ってその美味しさを楽しんでいたのですが、やっぱり一度は作ってみたいのが「米粉餃子」。
いつもの小麦餃子と共に、米粉の餃子を作って食べ比べてみました。
その結果をお話しします。
米粉で作る餃子の皮のお味は……?
今回は、普段通りの小麦粉の餃子を作るついでだったので、具はいつもと同様、加熱方法も焼きでいってみます。
生地を作る
皮の材料は、製菓用米粉・熱湯のみ。小麦粉で作る場合と同じです。
米粉200gに対し、熱湯は150mlくらい入っただろうか。
最初は小麦粉の皮と同じ割合で、熱湯を100ml加えてこねてみたのですが、これでは水分が足りな過ぎてボソボソになり、薄く延ばすのは難しそうでした。
そのため、あとからお湯を50mlくらい追加しました。
熱湯を加えるのは、粉のでんぷんをα化させて伸びを良くするためです。この米粉の原料はうるち米ですから、それほどの粘りは出ませんでした。
もち粉だったらまた違ったかもしれない。
適量のお湯が入っていれば、すぐに一塊になります。
ここからさらに少しこねて、表面がつるりとなったらこね上り。
こね時間がとても短いですが、小麦粉の皮のようにグルテンを出すことができないので、いくらこねても変わらないのです。
そしてここで寝かせずにすぐ伸ばしに入るのですが、今回はまだ具ができていないので、それができるまでラップに包んで常温に置いておきます。冷蔵庫に入れるとせっかくα化させたデンプンがぼそぼそになるので、室温に置きましょう。
薄く延ばして具を包む
今回の具は、豚ひき肉と白菜漬、ニラなどがメインの一般的な肉餃子。
食べる直前に包まないと皮が溶けてしまうので、夕方に行っています。そのため画像が暗くなってきますが、ご容赦ください(節電中だった)
具ができたら皮を延ばします。粉200gから40枚くらい作れる計算です。
小分けにした一粒を取り、麺棒でいつも通りに延ばすと……
やっぱり粉同士の繋がりが悪いせいか、生地が硬く縁が割れたり折れたりしやすいです。
それでも何とか円形に近付け、適量の具を包みます。
↓
ちょっと不細工です。生地に伸縮性が無いので、どうしても折り紙のようにぼきぼきとした折り目になってしまう。
それでも何とか餃子っぽい形に仕上げていきます。
いつも通り焼く
全て包み終えたら、フライパンで焼きます。
実はこの日、食べ比べのためにいつもの小麦粉の餃子も作っていたのでした。それと半々で焼いています。
画像ではわかりにくいかと思いますが、外側に小麦粉、内側と上部のいくつかが米粉の餃子と配置になっております。
いい感じに焼けたらひっくり返してみる。
この時点で、小麦粉餃子と米粉餃子の違いが出ています。小麦粉餃子は焼き色がキレイについていますが、米粉の方はまだ白っぽいまま。
これはお米と小麦のアミノ酸量の差ではないかと思います。つまり、メイラード反応(アミノカルボニル反応)が、小麦粉の方が強く起こるということですね。
米粉餃子はまだ白っぽいですが、中まで火が通っていることは確認できたので、このまま頂きます。
実食する
ちょっと皮が破れてしまいましたが……。こちらが米粉の餃子です。
やっぱり生地のコシが無く、他の餃子と隣接している部分から破れやすいようです。
食べた印象は、「味薄い……」でした。いつもと同じ具を使い、同じタレ(酢醤油ラー油)を付けているのに、なぜか物足りなさを感じるのです。
これは皮の味わいの薄さによるもののようです。
比較のため焼いた小麦粉餃子も食べてみます。
なんかもう、小麦粉の餃子は見た目から美味しそうだもん……。
こちらは食べても物足りなさが無く、意識して食べると皮そのものもかなり味があります。
やっぱり、米粉は小麦粉よりも味が淡いんですね。延ばしたり包んだりが大変だった割に、残念な結果に……。
いや、多分米粉餃子だけを出されたら純粋に美味しいと感じると思うのです。ただ、小麦粉餃子と並べられたらその差が顕著に出てしまいますね。
なぜ味の差が出たのか
米粉餃子と小麦粉餃子の味の違いは、言うまでもなく米と小麦の味、もっと言えば成分の違いによるものです。
食品成分表によると、うるち精白米は100g当たり1100mgのグルタミン酸が含まれますが、小麦粉(今回使用した中力粉)は3200mg。
うま味成分として知られるグルタミン酸量が三倍も違うとなると、味わいに変化が出るのも当然です。
ただ、米粉餃子がダメというわけではありません。米粉の方が合う具もあると思いますし、蒸したりゆでたりなど、調理法の違いでも変化が出るかもしれない。
何より、小麦粉アレルギー、グルテンフリー食生活を目指す人には米粉餃子は便利な料理だと思います。
ただ、小麦粉を米粉に差し替えるなら、双方の特性や違いを把握しておいた方が良いですね。(アミノ酸の量や生地の弾力の違いなど)
米粉クッキングは続く
今回は残念ながら手放しで美味しいと言えるほどの仕上がりにはなりませんでしたが、米粉の可能性が広がったことには間違いありません。
米粉をもっと美味しく調理する方法を、今後も模索していきたいと思います。
ということで今回はここまで。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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