先日、「製菓用米粉」なるものを購入してからというもの、米粉を使ったお菓子やパンにハマって楽しむ日々を送っています。
それらのレシピや感想は後日書きますが、使っていて気になったのが、「米粉と上新粉、おまけにもち粉と白玉粉の違いは……?」という点。
米粉への情熱が芽生えたこのタイミングに、せっかくなので調べてみました。
「米粉」とは、お米の粉全般を指す
まず、「米粉」について。
これは、小麦粉(強力粉も薄力粉も含む)やとうもろこし粉(コーンミールもコーングリッツも含む)と同様に、お米に分類される植物を粉にしたもの全てを指します。
つまり、これからお話しする製菓用米粉も、上新粉も、もち粉も白玉粉も、加えて和菓子材料の道明寺粉や寒梅粉も全てひっくるめて「米粉」になるということです。
以前、「こしあんもつぶあんも、小豆だけではなくどの豆を使っていても全て練りあんに分類される」という記事を書きましたが、それと同じことなんですね。
米粉というとうるち米でできたもの、おまけに上新粉とは違う加工をされているものという勘違いが生まれやすいですが、実際は大雑把な括りを指す名前だったようです。
製菓用米粉と上新粉の違いは
では、米粉の中でもうるち米でできた粉である製菓用米粉と上新粉の違いを見てみましょう。
「製菓用米粉」というと、お菓子の中でも特に洋菓子に使える米粉を指すのが一般的です。
つまり、小麦粉の代用品として使用できる米粉ということになりますね。
「上新粉」は、うるち米のシャッキリした食感を持たせたい餅菓子に使います。柏餅やちまきにしたり、もち粉と混ぜてだんごにしたりなどが一般的です。
昔から和菓子にも使われてきた上新粉と製菓用米粉の違いは、「粒子の大きさ」。
手に取ってみるとわかりますが、先日買った製菓用米粉は片栗粉のように細かいです。混ぜると粒子が煙のように舞い上がる感じ。
一方上新粉はサラサラしてはいるものの、一粒一粒に重みがあるというか、砂粒(それよりは小さいか)のようです。
この粒子の大きさの違いだけで、洋菓子、特に空気を含ませるスポンジケーキなどの仕上がりが大きく変わってきます。
上新粉だと粒子が大きいせいで空気を抱き込むことが難しく、どうしても焼き上がりまでに空気が抜け、粉が沈んでしまいます。
そのせいで「上新粉で洋菓子は作れない」と言われ続けてきたのですね。(ザクザク感を求められるショートブレッドや一部のクッキーなどは上新粉でも作れますが)
しかし!製菓用米粉は均等で細かな粒子が空気を抱き込んで逃がさないので、潰れずに焼き上がりまでふんわりした状態を維持できるのです。
製菓用米粉が生まれたのは、製粉技術の向上のおかげだそうです。
これまでは均等に細かい粒子にすることが難しかったのが、それが可能になったことで洋菓子にも対応できる品質を得られたということですね。
では、もち粉と白玉粉の違いは
もち米から作られる「もち粉」と「白玉粉」の違いはどうなのでしょうか。
見た目としては、もち粉はサラサラ、白玉粉は白い塊がゴロゴロという感じで大きく異なりますが、違うのは見た目だけではないのです。
「もち粉」は上新粉と同じように、もち米を粉にしたものです。つまり、もち米と同等の栄養価があるということ。
もち粉で作った餅菓子は、炊いたもち米を搗いたお餅と同じような風味、食感になります。
一方「白玉粉」は、もち米を水でふやかし、そして水を加えながら挽き潰して細かくします。そして、水の中に沈殿したでんぷん質の多い部分を取り出して乾燥させて完成です。
このように加工することにより、白玉粉はもち粉よりもでんぷん含有量が多くなります。このことから、お餅よりも滑らかな、つるりとした食感が生まれるのです。
もち粉も白玉粉も和菓子に多く使われていますが、得たい味わいや加工のしやすさなどによって使い分けられています。
家庭で双方を代用することはできなくはないですが、成分の違いがあるので、全く同じ仕上がりにはなりません。
ちなみに道明寺粉、みじん粉や寒梅粉とは
桜餅でおなじみの「道明寺粉」は、ご存知の方もいるかと思いますが、もち米を蒸してから乾燥させ、挽き割りにしたものです。
1/4や1/8など、何等分にするかによって食感も変わります。
和菓子をあまり食べない、作らない人は耳慣れない「みじん粉(微生物のアレではありません!)」「寒梅粉」というのは、もち米を蒸して薄いお餅にして、焼いてから粉末にしたもののこと。
どちらも同じ作り方ですが、みじん粉は挽いたままのもの、寒梅粉はそれをふるいにかけて細かな粒子を集めたものです。
これらは既にでんぷんに火が通っているので、落雁などの加熱加工しないお菓子などに使われます。
落雁、あまり好きではないのですが、いつか使いこなせるようになりたいです。そのためには木枠が必要か……。
いつか、森林公園の木型屋さんでオーダーしたい。
米粉は奥が深い
単純に米粉と言っても、これだけの幅があるとは驚きです。
お米の種類や粒子の大きさで変わるのは想像に容易いですが、同じもち米を使って、蒸して干して挽いて、あるいは蒸して搗いて焼いて粉にしてふるう……という加工までして食感を変えているとは……。
ハマると奥が深すぎて、抜け出せなくなりそうな予感がします。
とりあえず、今私は製菓用米粉の美味しさにハマっている最中。まだまだ膝下を浸かった程度でしょうか。
この製菓用米粉でパンやシフォンケーキを焼いてみたところとても美味しかったので、それらのご紹介も後日させて頂きます。
ということで今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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