江戸時代の調味料、煎り酒を作ってみよう!

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煮詰め後 作り置きと保存食
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料理系の時代小説などで「煎り酒」という言葉を見たことがありませんか?

お酒を煎る……?どんなものかなかなか想像が付きにくいですが、これ実はお酒に梅などの材料を入れて煮詰めた調味料なんです。

まろやかな塩気と酸味があって、料理の調味料として使うだけではなく、お刺身の付けダレ、卵かけご飯などに重宝します。

 

と、煎り酒がどんなものか知っているけれど、いつも買ったものばかりで作ったことは無かったのです……。

しかし今、うちにはちょうど塩分多めの梅干しがある!しかもお酒も(安いけど)純米酒がある!

ということで、作ってみることにします!

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煎り酒の作り方は

煎り酒は、「日本酒一合に対して塩(と紫蘇)だけで漬けた梅を一粒入れて1~2割減少するまでとろ火で煮詰めたもの」というのが基本的な作り方とされています。

しかし、美味しさを向上させるために鰹節を入れたり、昆布を入れたり、山椒の実や煎ったお米を入れたりなど、アレンジレシピも多いようです。

今回は3年前に自分で漬けた塩分16%の梅、本枯節、利尻昆布という豪華材料を使って作ってみます。

材料

飲まない家なのでお酒は料理に使っても惜しくない安い純米酒です……。ここだけチープですがご勘弁を。

900ml、つまり5合ですね。よって、梅は5粒。大粒なので、結構多めかもしれない。

結果的に酸味が際立つ仕上がりになったので、酸っぱいのが苦手な人は小粒の梅にするか、個数を減らして下さい。

 

まず本枯節を削ります。最初から削られている節を使う場合はここは割愛です。

かつおを削る

長時間煮出す場合は厚削りが良いらしい。しかし下手くそで粉っぽいところが出てしまいました。

大体、一掴みくらい削りました。計量すると25gでした。

 

昆布はお酒1合に対して5cm角を1枚というレシピを見ましたが、あまり多いとヨードが気になるので控えめにしました。

昆布抜きで作ることもできたのですが、グルタミン酸のうまみはどうしても欲しい……。

 

これらの材料を鍋に入れ、とろ火でことこと煮詰めます。梅干しを菜箸などで突き崩すと味が出やすいらしいです。

煮詰め中

酒気が室内に漂い、お酒に弱い私は酔いそうです。換気扇を全開にしました。酒気が蔓延するとガス報知器が鳴る場合があるらしいので、換気は万全に……。

 

焦げ付く心配はないので、このまま1時間弱加熱。

酒気から逃れるために火から離れて別な仕事をしていたので、つい煮詰め過ぎてしまいました。

アルコールは水よりも蒸発しやすいことを忘れていて、2割よりもかなり減ってしまった……。

煮詰め後

でも、かなりうま味が濃縮されて、これはこれで美味しいです。

梅が大きかったせいか、過去に食べた市販品よりも酸味が強めです。

また、お酒の風味が強い。いいお酒だともっといい香りがするんでしょうね。これは残念ながら安酒の香りです。

このまま冷まして一晩おいて、さらしで漉して瓶に詰めて冷蔵庫へ。2週間はもつ、という話ですが、梅やアルコールの殺菌力で、もっと日持ちしそうな気がする。

いりざけ

5合、つまり900mlの2割減だと720mlにならないといけないのですが、500mlの瓶の八分目くらいにしかなりませんでした……。

鰹や昆布に多少吸われているとしても、ちょっと歩留まりが悪かったですね。

煎り酒で温泉卵を食べてみよう

煎り酒は卵にとても合います。あとは白身魚、そしてタコの刺身がおすすめ。これらのお刺身相手だと、すっきりした味になって絶対に醤油よりも美味しいと言い切れる。

今、残念ながら手元に刺身が無いので、先日買った「こくちび卵」で温泉卵を作り、これにかけて食べます。これ書いている間に作ったら、火が通りすぎてしまった……。

おんたま

煎り酒だけ舐めると結構酸味が気になりますが、卵黄と合わさると穏やかになります。

そして梅やかつおの風味が卵の生臭さをうまく消してくれています!

温泉卵と言えば出汁醤油で食べるのが一般的ですが、煎り酒で食べる味を知ると、もう他は考えられなくなるくらい美味しい!

温玉だけではなく、卵かけご飯にも煎り酒はおすすめですよ。

「煎り酒」が登場する作品たち

料理シーンでは必ずと言っていいほど煎り酒が出てくる。

この料理人季蔵シリーズ、結構続いているんですけど結構つまらない……。途中で読むのをやめてしまいました……。

が!!煎り酒の存在はずっと心に残っていたのです。

 

また、何巻かは忘れてしまいましたが、みをつくし料理帖シリーズにも登場しますね。

こちらも江戸時代のお話ですから、当時の料理にはよく使われていたのでしょう。

このシリーズは人気があることからわかる通り、とても面白いです、サスペンス要素などが無く、料理を軸に動いていくお話。

昨年放送されたNHKドラマの黒木華さんが小説の澪ちゃんのイメージにピッタリで、原作ファンとして見ていて嬉しくなりました。(民法版の北川景子さんは美人過ぎてちょっと違った)

 

次は漫画。

英国の女性冒険家、イザベラ・バードが見た明治時代の日本を描いた作品です。

この3巻で、通訳の伊藤が作る日本料理に煎り酒が使われていました。温玉のような、ポーチドエッグのようなものにかけてあった。

料理漫画ではありませんが、衣食住の描写が細やかなので、食べ物が出てくるシーンもとても美味しそうに描かれています。

 

そして最後は……、美味しんぼの5巻、かなり初期に登場する「シャブスキー」でも使われています。

「煎り酒」という言葉は出ず、日本酒1升に梅10個を入れて7割の量になるまで煮詰めるとしか書かれていないのですが、これは間違いなく煎り酒!牛肉にも合うんですねー。やってみよう!

他の巻で煎り酒という言葉を目にしたことがあるのですが、何巻だったか忘れてしまいました。確か、発酵バターや澄ましバターが出てくる話だったと思う。

 ちなみに絞りカスは佃煮にしました

煎り酒を絞った後の鰹節と梅干しは、醤油と砂糖で煮詰めて梅かつおの佃煮にしました。おにぎりの具にピッタリですよ!

昆布は食べられないので廃棄です。すみません。食べられる方は刻んで一緒に佃煮に入れると美味しいと思います。

佃煮

このように、良い材料を使っても全てが無駄にならないというのがいいですよね。

自家製梅がある方は、是非煎り酒を作ってみて下さい。

もちろん市販品にも美味しいものがあるので、作るのが面倒な方は買うという手もあります。

ということで今回はここまで。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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