一級製パン技能士のつなちゃんをご存知でしょうか。
5年ほど前までネット上で様々なパンレシピを公開されていた方なのですが、体調不良でサイト閉鎖ののち、惜しまれながら亡くなりました。
そちらのサイトが有志の方により復元されていることを知り、久々に大好きな「超芳醇プルマン」を焼いたら昔と変わらず美味しかった!!
つなちゃんの超芳醇プルマン
サイトが閉鎖に至る前には、私もそのつなちゃんのレシピによくお世話になっていました。
うちには1.5斤の型しか無く、食パン系は一人暮らしだと食べきれないため、友達に贈っても喜ばれる菓子パンレシピをよく利用していました。
でも、たまたま焼いた超芳醇プルマンが本当に美味しくて!忘れられなかったのです。
このたび、レシピを発見して嬉しくなってしまい、焼くことにしました。
※ここでの作り方は、オリジナルサイトに則っています。勝手に変更したところはありませんが、気を付けるべき点が抜けているかもしれません。それでも美味しく焼けましたが……
オリジナルの方は本当に丁寧に開設されているので、是非そちらもご一読下さい。
「湯種法」を使うのが美味しさの秘訣
このパンは「湯種法」と言って、分量の小麦粉の一部を熱湯でこねて寝かせ、生地作りの際に混ぜるという技法を使います。
小麦粉の一部を熱で糊化させてから加えることで、生地の弾力が増し、劣化が遅くなる効果を得ることができるのだそうです。
湯種を作る手間、寝かせる時間がかかりますが、その分通常の食パンよりも優れた食感が得られる方法です。
材料
材料の配合は、オリジナルサイトをご覧ください。こちら
使う材料は強力粉、お湯、砂糖、塩、バター、牛乳とイースト菌。どこにでもある材料で作れるのがありがたいですね。
1.5斤分の材料です。
ここでは、小麦粉は木田製粉の「ゆめちから元気」(ゆめちから100%の強力粉)を使用しています。
スーパーキングやゴールデンヨットほどではないにしろ、たんぱく質が12.9%と道産小麦の中ではかなり高めです。
もっちり引きの強い食パンになります。
湯種を作る
まず、湯種を作ります。
これは一晩(8時間以上くらいかな)寝かせる必要があるので、焼き上がり希望時間から逆算して12~13時間以上前に始めます。
湯種は4~5日もつそうなので、時間に余裕がある時に作っておくと良いでしょうね。
湯種は手ごねで作るのは大変なので、HBで作ります。
パンケースを熱湯で温めてから湯を捨て、分量の強力粉と80℃程度の熱湯を加えてこねモードで2分くらいこねて完了。
時間をかけてこねる必要は無いとのこと。
↓
こね上りは45~50℃くらいが適温、55℃以上だと高すぎです。
こね上がった生地は油を塗ったビニールシートで包み、粗熱が取れてから冷蔵庫に入れて寝かせます。
本ごね
湯種の寝かせが完了したら本ごねに入ります。今回は夜に焼いて翌朝食べたかったので、朝の10時に湯種作りをして18時から本ごねに入っています。
HBのパンケースに砂糖と塩、30℃に温めた牛乳を入れてから粉を加え、こね開始します。
水分が粉に含まったあたりで湯種をちぎりながら入れる。
湯種は冷蔵庫から出したてではなく、室温に少し置いて温度を上げています。
9分ほどこねて生地がつるりとしてきたらバターを入れてさらに7分こねる。
こね上りを見て、生地に薄い膜が張るようになったら丸めてボウルに移し、ラップをして28℃で90分発酵。
一次発酵
↓
うちのオーブンは30℃設定しかないので、15分に1回くらい扉を開けて温度を下げたりしています。
90分で3倍ほどの大きさになるのでパンチしてガス抜きし、丸め直してさらに28℃で30分発酵。
再発酵後は発酵前の大きさの2.7倍が適正だそう。ちょっと小さかったか……?
ベンチタイム→成形
これをさらにガス抜きし、3等分して丸め直して濡れぶきんをかけて20分のベンチタイム。
ベンチタイム後は成形します。「唐草詰め」という、生地をくるくる巻いて並べて詰める方法です。
生地をのばして両脇から3つ折りし、
さらに伸ばして薄くしてから長手方向にくるくると巻いて、巻き終わりをつまんでとじます。
もう少し幅ができるように伸ばすべきでした。
今回使った1.5斤型は従来のものよりも断面が大きく、その分一辺が長いのです。
そのため、詰めるとこんな感じに。
2分割で詰めれば良かったかな……。
二次発酵→焼成
この状態で濡れぶきんをかぶせ、38℃で40分発酵→ちょっと足りなそうだったのでもう10分発酵。
でも、結果的にその10分が余計だったかも。
一応、型下1.5cmくらいなんですが……
160℃で10分、190℃に上げて20分焼くと
型の隅までミッチリなパンになってしまいました。
おまけに型の油分が足りず、無理に剥がしたせいでぼそぼそになってしまった。
でも断面はふんわりもっちりきめ細やかで、美味しそう。発酵オーバー時に出るアルコール臭もしません。
翌朝、トーストして食べます。アヲハタの白桃ジャムで。
後ろにちょっと見えているのはくるみパン。(昨日の残り)
ジャムが付いていないところを食べてみると……。もっちり、ふんわり。耳までやわらかく、噛み切りやすい。粉のうま味が美味しいパンです。
そのまま食べても美味しい食パンは久しぶり。高級な食材は何も使っていないのに!のが〇にも負けないぜ!
もちろんジャムとも合う。この白桃ジャムは甘さ控えめで果物感が強く、この超芳醇プルマンによく合っていると思います。
これなら、1.5斤くらいはすぐに食べきれそう。
次回への注意点は
今回は久々に焼いたので忘れている工程もけっこうありました。
このパンを食べきったら、またすぐ次を焼こうと思っています。
その際に気を付けたいことは、
- 2分割で成形してみる
- 二次発酵時間を短くする
- 型にしっかり油を塗っておく
ということですね。
今回使用の1.5斤型は、浅井商店の「勾配のない1.5斤型」というもの。このサイズだと断面が大きくなり、サンドイッチが作りやすいのです。
4/10現在売り切れですが、絶賛製造中だそうです。
ということで今回はここまで!食パン美味しい!
最後までお読み頂きありがとうございます。
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