一昨日に引き続き、スモークサーモン作りです。
前回は鮭をピックル液に漬けてから干すところまでをやりました。
今回はほど良く干せた鮭を冷燻していきます。
丸々二日干した鮭はこんな感じ。水分が抜けて身が締まりました。
冷燻する
乾燥が完了した鮭を、いよいよ冷燻していきます。
使うのはスモークウッド。木の種類はナラ、ブナ、ヒッコリーあたりが魚に向くそうです。
ちょうどナラとブナが残っていた。これでは足りなそうなので、夏の余りのリンゴのウッドも使う。
冷燻は10℃以下とか、0℃前後の環境でするのが望ましいとされていますが、燻煙実行日は最高気温が11℃の予報。
これで手持ちのスモーカー(小型)だけで冷燻は難しそうなので、熱を逃がしつつ煙だけ鮭に送り込めるようにスモーカーを改造します。
スモーカーの上部に段ボールで作った筒を装着して、さらにその上に段ボール箱を繋いで高さを延長させます。
筒と箱の繋ぎ目は段ボールを筒状にしたパイプでつなぐ感じにして、煙だけが上の箱に行くようにしました。
おまけにスモーカー下段に氷をたっぷり入れたボウルを置いて庫内温度が上がらないように細工も。
準備ができたら、上の箱に金串を刺して網をかけて、鮭を並べてスモーク開始です。温度計も刺してこまめにスモーカー内の温度を見ながらの燻煙です。
箱のサイズがギリギリでした。内壁に鮭が付いちゃってるところもあるが、気にしない。こないだ食材を買ったcottaの箱だし、きっと汚れてはいないだろう。
時間はネット上のレシピだと2時間前後のものが多いが、手持ちの燻製の本には16時間(!)と書かれている。
え、これどっちが正解なのと戸惑いながらも、短時間でも長時間でもいけると解釈し、手持ちのウッドが尽きるまで燻煙することにします。
4時間もつウッドが2本分あるので、目安8時間と考えていましたが、ウッドの燃えるスピードが想定より遅く、全て燃え尽きるまで10時間ほどかかりました。
燻煙中、風でスモーカーが倒れて火災になっては困るので(今回特に段ボールを使っているし)目が離せない。
でも外で10時間はしんどい季節、なので窓の前にスモーカーを置き、室内から見守りながら、朝から夜までたっぷりかけて燻煙しました。
窓を開けるには寒いし、洗濯物の外干もしない季節でよかった。近所迷惑が心配なので。
2時間後。やっぱり煙が入ってくる穴付近の温度が高いのか、箱の中央部にある鮭だけ脂肪分が溶けたようになっている。温度計を見ると20℃近くまで上昇中。
ウッドを見ると、一本目が燃え尽きる前に二本目に着火していて、ここから過剰な煙と熱が発生しているようです。慌てて一本目のウッドを取り除き、煙と熱の量を調整しました。
まだ燃える余地があるのに、消火のため水をかけちゃったウッドが勿体ない。
ウッドを減らしても段ボール内は温度高め。もう少し庫内温度を下げるべきかと思い、これからの過熱予防を兼ねて段ボール内にも氷を置いてみました。
4時間後。2時間経過時よりも色が濃くなってきたかも。気温の上昇もあり、油分が染み出たような感じはそのままです。
7時間後。光の加減のせいだろうか、こっちの方が色が薄く写ってしまった。
そして完成の10時間後。日没後なので取り込んでからの撮影です。
今回作った白鮭スモークサーモンは、市販に多い紅鮭スモークサーモンよりも頼りない色味。
でも身はしっかり締まっています。
色々な小細工をしたおかげでスモーカー内温度は20℃をオーバーすることはなく、ちゃんと「冷燻」ルールを守ってできました。
できたてのところを少し削いで味見します。
塩気は思ったより低く、穏やかな味です。食感は市販のスモークサーモンと同じ!ただ、燻煙が完了した直後は煙の癖が強い。これは食べにくいな……。
これを落ち着かせるために冷蔵庫で一晩寝かせ、完成です!
一晩寝かせると煙の癖が抜ける
できたスモークサーモンを食べてみましょう。まずはそのまま。レモンとオニオンスライスは必須ですね。
食べる都度皮から身を削ぐ感じで切ります。
しかし、一晩寝かせても身が柔らかく切りにくかった。もう少し風乾させても良かったのかな。
味はスモークサーモン!煙の臭さは抜けているものの、ずっと残る燻香が結構強めで、売ってる穏やかな風味のものとは別物です。
でも、レモンを絞ってオニオンと一緒に食べると、この癖も美味しさに変わります。
あと、塩気が思ったより少ないです。これなら漬け込み時の塩分濃度をもっと上げてもいいと思います。
でもこの甘塩でも十分に美味しい。食感もちゃんとスモークサーモンで、これは成功したと言っていいと思います!
続いてベーグルサンドに。クリームチーズとオニオンも一緒の、いわゆるLOXというやつです。
そのまま食べて美味しかったのですから、このベーグルサンドも美味しいに決まっている。
クリームチーズとスモークサーモン、合いますよね!最高!
ちょっと口に生玉ねぎ臭が残るので、朝食よりも昼食向けかな。(ニューヨーカーはそんなこと気にしないのか?)
今回食べなかった分のスモークサーモンはラップでキッチリ包んで、冷凍保存します。そして半解凍状態でスライスすると扱いやすいです。
おせちの一品によさそう!
なお、食べて既に4日ほど経ちますが、私も家族もお腹を壊すことはありませんでした。
寄生虫、そして腐敗リスクに細心の注意を払って作ったおかげか、安心して食べられるスモークサーモンに仕上がりました!
冬しかできない冷燻
ベーコン、ソーセージと、割と燻製経験はありますが、スモークサーモンは今回が初めてでした。
その割にはいい出来だったと思います!これは、工程よりも寒さが大事ですね。
もっと寒さが深まる時期だったら、もっと楽に作れたかもしれない。
長時間、寒い外での燻煙でしたが、買うと高いスモークサーモンを安価に手作りできるという魅力には代えがたい。(鮭の元手がタダという理由もある)
来年も鮭をもらうことができたらやってみようと思います。そのときは平均気温がもっと低くなってからやります!雪が積もるくらい時期の方がいいのかも……。
今回はここまで!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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