もう2月ですでに公現祭は終わった後ですが……。
なんとなく、ガレットデロワが食べたくなったので作ります。
いつもだったら冷凍パイシートでさっと作るものですが、せっかく真冬なので秘蔵の大理石の台を使い、速成折りパイから作ってみようと思います。
※過去記事に加筆修正して再投稿しています
速成折りパイ生地から作るガレットデロワ
ガレットデロワは祝日のお菓子とされていますが、ご存知の通り普通のパイ生地に、普通のアーモンドクリームを詰めて焼いたものです。
つまりアーモンドのパイ。いつ食べても美味しいお菓子です。決まった時期にしか手に入らない材料もないし。
だから、私の勝手な考えでは、公現祭に限らず食べたいときに作って良いことにしています。
クレームダマンドを作る
クレームダマンド(アーモンドクリーム)は作ってから1時間くらい寝かせるので、パイの寝かせ時間の合間を見るか、先に作っておきます。
材料は単純で、アーモンドプードルと粉砂糖と卵とバター、同量。
そして風味づけにラム酒やブランデー、グランマルニエを少量。お子様が食べるならバニラでいいと思います。
今回は余ったクリームを別な用途にも使うつもりなので、120gずつ用意しています。
が、使い切るつもりならこの半分でいいです。
卵は室温に戻し、溶いた後に計量し、残りはパイの艶出しに使います。
バターは指がスッと入るくらいに柔らかくしておく。
アーモンドプードルは生タイプなので、フライパンで軽く炒ってから冷ましておきます。
材料の準備ができたら、あとは共立てパウンドケーキと同じ。
柔らかくしたバターに粉砂糖を練りこんで白くホイップし、溶き卵を少しずつ加える。
最後にアーモンドプードルを入れて混ぜ、香りづけの洋酒を入れる。
この状態でラップをぴっちり張って、冷蔵庫で1時間は寝かせます。
洋酒は本当はグランマルニエが良かったのですが、小瓶が無かったのでコアントローにしました。香り薄いな~。
速成折りパイ(フィユタージュラピッド)を作る
これは、お菓子作り愛好家のためのサイト、cottaのレシピをそのまま使っています。
「失敗から学ぶ!成功するお菓子レシピ」という連載のvol.27に詳しい記載があって助かった。
レシピの通り、仕込み水にお酢をちょっと入れると伸びが良くなる気がします。
分量は倍(半分冷凍するから)、小麦粉は薄力粉ドルチェと強力粉ヴァンドゥノールを半々にしました。
詳しい分量や手順はリンクからご覧ください。
今回はガレットデロワなので菊型で抜きますが、うちには12cmの小さなものしかないので、これを4つ作ることにします。(人にあげる前提なので小さめサイズにしているという理由もあり)
ここでは、私が作ってみて、自分なりに「こうした方がいいな」と思った点を中心に書いていきます。
材料。発酵バター、粉、塩、砂糖、酢、水。
パイ系は絶対に発酵バターの方が美味しいです。
バターは冷凍してたやつを出したばかりなのでカチンコチン。
粉も冷凍庫に入れておきました。水と砂糖と塩と酢は、全て混ぜ合わせて冷蔵庫にしばらく入れておく。
環境が許せば部屋の暖房は切ってください。そして加湿器も切ること推奨(多湿だと台が結露して打ち粉が多く必要になる)。
粉を大きいボウルに入れ、バターを入れてスケッパーで切り込む。なんせ冷凍されてたので固いです。
プラスチックのカードでは歯が立たないので、私は先端を砥石で研いで包丁のようにした、特別製の金属スケッパーを使います。(刃物なので取り扱い厳重注意)大根ぐらいならサクッと切れる切れ味です。
経験上、バターの粒はこの時点では結構大きくてよいと思います。
そして、混ぜておいた冷水その他を回しかけ、さらにスケッパーで切り混ぜていく。
これくらいモソモソの状態で、寄せて圧迫して固めて、ラップに包んで冷蔵庫に30分以上入れておく。
この時点でのバターの大きさが、焼成時の層の浮き上がりに影響してきます。「これで大丈夫なの?!」と言いたくなるくらいバターの粒が残っていた方がうまく行く。
スコーンを作るときのように小さな粒になってしまうと、失敗しがちです。
30分寝かせている間、とっておきの大理石台を冷やしておきます。
うちにあるのは大きくて重いやつなので、冷蔵庫には入りません。よって、ポリ袋に入れて衛生に気を付けながら、外(外気温-2℃)に置いておきます。(使う直前に洗剤で洗って、アルコールで拭く)
この大理石の上に寝かせた生地を置き、少しだけ打ち粉を振り、麺棒(これも冷凍庫に入れておいた)で50cmくらいの長さに伸ばす。
これからの作業で打ち粉をしていきますが、最小限にとどめる努力をします。道具を冷やす、台を一工程ごとにきれいにして乾かしておく、などするとべたつきにくい。
バターと生地がまだらの状態、でもこれでいいんです
これを3つ折りにして、向きを90°変えてまた50cmくらいにのばす。
そして4つ折りする。4つ折りと言っても半分折を二回、という感じではなく、奥から少し折り返し、手前から向こうに折り返して「わ」にして、それをさらに二つに折ります。
↓これを半分に折ってラップで巻く
これをまた冷蔵庫に入れて30分以上寝かす。(この寝かせ時間のうちにクレームダマンドを作っておくとスムーズ)
大理石は洗ってポリ袋に入れて、また外に置いておく。重い!
寝かせ後、3つ折り→4つ折りの作業をもう一度繰り返し、
4つ折りにしたところでラップで包んでもう30分寝かせる。台も冷やしておく。
そして生地を2~3mmに薄く延ばし、半分はぴっちりラップで覆って冷凍。後日使います。
半分はシート状のまま冷蔵庫に入れてまた30分寝かせる。台も冷やしておく。
薄くしてから一度寝かせないと、抜いた時に縮みが生じます。
寝かせたら取り出して、12cmの菊型で8枚抜く。端っこも何かに利用できるので、取っておく。
うちでは冷凍保存して、団子状のまま輪切りにして砂糖やシナモンをまぶして焼いたりします。
抜いた8枚のうち4枚にフォークで空気穴をあけ、絞り袋に入れたクレームダマンドを絞り出す。縁は接着のため1~1.5cmくらいあける。
そして、ガレットデロワらしさを出すために適当なところにむき身のピスタチオを置く。アーモンドだと大きすぎた。
縁に水を塗り、上からもう一枚生地をかぶせて縁をフォークなどで圧迫して接着する。
上に水溶き卵を塗り、ナイフなどでそれっぽい模様を入れる。
中心にナイフをブスっと刺して、空気穴をあけておく。この状態で冷凍しておけば、いつでも焼くだけでガレットデロワが食べられるようになる。
オーブンを220度に予熱する。生地は予熱が完了するまで冷蔵庫へ。
220℃のオーブンで5分焼き、190℃に下げ、30~35分焼く。今回はしっかり焼きの35分。
生地の大きさの割に長めに焼きますが、これくらい長く焼いた方がサクサク感が長持ちします。
焼けました。層が高く浮いて、生地自体は大成功だったと思います。
発酵バターがいい香りです。少し傾きがあるものもありますが、愛嬌愛嬌。
少し冷めてから食べます。パイはちゃんと層になってくれたようです。サックサク!
発酵バターの香りよし、アーモンドの香ばしさが美味しい。
苦労した甲斐がある味に仕上がりました。
速成パイ生地作りで気を付けること
- 材料は冷凍庫で冷やす
- 道具も冷やす、台もできれば冷やしたい。作業者の手も……
- 部屋の暖房は切りたい 冬なら窓も開けたいくらい 夏なら冷房をガンガン入れたい
- 加湿器は切る(冷たい材料と道具に結露する)
- 一工程ごとに冷蔵庫で30分以上寝かせる
- 打ち粉は最小限にする(そのために全てを冷やすようなもの)
- 最初にバターを細かくしすぎない
- 焼きは温度高め、長め
大理石の台はあるととても便利
私が所有している大理石の台は、すごーく昔に新札幌のプランタン(今のカテプリ)の製菓用品コーナーで買ったもの。確か天然の大理石のはず…・・。
今よく見かける下敷きみたいな薄い台と違って、厚みも面積もあります。
重さ10kgくらいあるんですが、これを担いで新さっぽろから小樽まで帰ってきたんですよ……。
親戚からの誕生日プレゼントで、「好きなもの買ってきたらお金あとであげるよ」と言われて買った一品。
「大理石の台買ったよ!」と報告したら、あまりに想定外だったらしく驚かれました。20年経ちますが、いまだに言われる。
大理石の台があると、木や金属とは比べ物にならないくらいパイ作りが楽になります。
大きなもの、厚いものは重くて収納も大変ですが、熱を奪う性能と、こねているときにズレにくいというメリットがあります。
これから買うなら、中途半端な人工大理石のものではなく、ちゃんとした石のものをおすすめします。
今回はここまで。
ガレットデロワ、美味しい。
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