ある日、いつも通り食パンを焼いているときに発生したトラブル。
一次発酵も二次発酵も、ほとんど膨らまない……。もちろん焼いても膨らまない。
断面に多少の気泡は見えるが、重たくてまるでかまぼこのようです。材料はいいので味はいいんですけどね……。
赤サフ、つまりインスタントドライイースト(以下省略して「イースト」と表記します)を使用して焼いたパンなので、「もしかして、イースト死んだ?!」と思って慌ててしまいました。
しかし!後日レシピは同じく(粉は変えたけど)焼いたところ、ふんわり、を通り越してボッコリと盛り上がった超山食が焼けました。
この違いは何かを考えてみることにしました。
イーストがダメになったと思った理由
まず、なぜイーストがダメになったと思ったかというと、少し前に冷蔵庫が壊れ、イーストを入れていた瓶が常温と冷蔵の環境に交互に置かれる事態が発生したからです。
そもそもこのイーストは開封してから数カ月経っていて、冷蔵庫が壊れる前から鮮度の面ではかなり落ちていたと推測できます。
ちなみにそれまでの保存環境は瓶に密閉したうえで冷蔵庫の奥(水ものは凍ってしまうくらい冷えている)に置かれた状態です。
ずっとその環境での保存を守っていたため、少しでも室温に置くとダメになってしまうと思い込んでいたんですよね。
しかし!釜伸びが良い小麦粉で焼いたらこんなことに……
しかし、最後の一回と思ってこのイーストを使い、使用量も倍量にし(と言っても冷蔵長時間発酵なので粉380gに対し1.5gを3gにする程度)、おまけに窯伸びが良いことで知られるスーパーキングを使って焼いたら、こんなことに……。
まるで絵本に出てくるような山食!1.5斤です。
イーストは死んでいなかった、ということです。雑な保存環境でも結構生き残ってくれるのね。
水にイーストを先に入れてしまったのが原因でした……。
では何で前回膨らまなかったのか……?その理由はなんだろう。
イーストの袋を見ると、こんな表示が!
「冷水には直接触れないこと」……あー!原因、これだわ!
確か前回の膨らまないパンを焼いたときは、仕込み水(夏場なので冷水)にてんさい糖を溶かしたつもりでイーストを入れてしまったのだった。
そして、そのまま「どうせ混ぜるしまあいいか」と、いつも通りにこねに入ってしまったのでした。(いつもはイーストは粉と水を混ぜてから入れている)
その後は一次発酵もすごくゆっくりで、あまりに時間がかかるので2倍になる前に分割、成形に入ってしまった。
そして型に入れての二次発酵ではいつまでも生地が上がってこず、腐敗が心配で見切り発車で焼成、という流れでした。
イーストを仕込み水に混ぜるか、粉を入れてから混ぜるかの違いだけでここまでの差が出てしまうものなのですね。パン作り、奥が深い。
イーストで焼くパンも意外と注意が必要ですね
最近は天然酵母パンにチャレンジすることが多かったので、「イーストで焼くパン、楽だわ~」なんて思っていたのですが、意外な落とし穴があるものですね。
パンを自分で焼くようになって20年くらい経ちますが、こんな理由で膨らむか、膨らまないかの差が出てしまうなんて今回初めて知りましたよ。
この理由でパンが膨らまなくなるのはイーストの鮮度とは関係ないと思うので、もし、「材料も手順も間違っていないのになぜか膨らまない!」という事態が発生したら、参考になさって下さいませ。
ということで今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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