「キューヒライン」って知っていますか?
遠い昔々、子供向けのお菓子作りの本「世界のおかし作り」に載っていたスイスのお菓子で(その本にはローゼンキューヒラインと書かれていました)、当時はなんておしゃれなお菓子なんだろうと思いました。
一度は作ってみたかったけれど、専用の型を使う&油を使う揚げ菓子ということで、子供の当時にはとてもハードルが高く、諦めることに。
でも、最近になってキューヒライン型が日本でも割と手に入りやすいことを知り、大人の財力(笑)にものを言わせて入手したのです!
今日は、30なん年越しの憧れを実現するため、スイスのお菓子「キューヒライン」を作ってみます!
なんと、国産のキューヒライン型!
日本で手に入るキューヒライン型は、なんと日本産。てっきり本場から輸入していると思いました。
私が買った雪の結晶型のもののほか、星形のバージョンもあるようです。
しかし、この道具の需要がどれほどあるのかとても気になる。
本で見た「ローゼンキューヒライン」というお菓子はローゼン、つまりバラ型で作るものを指し、お菓子自体の名前は「キューヒライン」と呼ぶそう。
しかし、キューヒラインの日本語訳を調べても「ケーキ」「クッキー」などと、大雑把なお菓子の括りしか出てきません。キューヒライン=この揚げ菓子という解釈で合ってるんだろうか。自分の語学力の無さが浮き彫りになるので、ここでは深く追求しないことにします。
さて、箱の中身です。
木とステンレスでできたハンドルと、アルミの型3種類。
左から、タルトのようなバスケット型、雪の結晶型、丸に十字の島津家の家紋のような型(バラ型らしい)。
ハンドルの先がねじ状になっていて、それぞれの型を取りつけることができます。
キューヒラインを作っていきます
では、型を洗って乾かして、キューヒラインを作っていきます。
レシピが載っている「世界のおかし作り」はしばらく前に紛失し、そのあとは数年前に図書館で借りて見ただけなので、レシピがわからない。
どっかに転がってないかな……と思っていたら、親切に箱の裏にレシピの記載がありました。
この分量通りだと大量にできてしまいそうなので、卵1個でできる半量にして作ります。
箱には記載がありませんが、薄力粉は一回ふるっています。油は新しいものを使用しています。
卵と砂糖、塩を混ぜ、そこに薄力粉を少しずつ加えて混ぜる。
粉が全量入ると結構重ための生地になる。
これに牛乳を少しずつ加えて溶きのばす。
クレープの作り方に似ている。分量も。キューヒラインとは、クレープのタネを揚げたものなのか……。
全量の牛乳が入りました。揚げに入る前に、一度裏ごしして小さい器に移しています(その方が型に付けやすそうだったので)。
油の温度は180℃まで上げておきます。
この熱々油に型を浸して熱する。
何度かまでは計測していませんが、生地に付けると「ジュッ」というくらいまで温めます。この予熱をしないと、生地が型に付かずに落ちてしまうようです。
ジュッと生地を付ける。ここで、型の上部分まで生地を付けないように注意します。上まで生地を付けるときれいにはがれなくなってしまいます。
型の2/3ほどまで生地を付けたら、再び油に戻す。
ジュワーッと揚がるうち、生地が型から自然にはがれます。はがれにくかったら細かくゆすったり(油跳ねに注意)、ひっついているところを箸などではがしたりして外します。
型からはがれたら大体1~2分ほど揚げます。揚がったら油を切り、網の上で冷ます。
7~8枚ほど雪の結晶型を揚げたあと、バスケット型も同様に揚げてみました。
これが、思ったよりきれいな形にならない。ぷくぷく膨らんだり、薄いところがよれたりして、焼菓子のタルト型のようにはなりませんでした。
バラ型は今回は使わず、雪型とバスケット型で生地を半量ほど使ったところで生産を一度ストップさせました。食べきれなさそうなので……。
そのままでも軽くて美味しいけれどアイスが合う
まず、雪型の方。粉砂糖を振って、そのまま食べてみます。
サクサクしていて軽快な歯ざわり。でも結構油っぽい。揚げ菓子だししょうがないか。天かすのような食感で、甘さと卵の風味があるためアメリカンドッグのカリカリしたところにも似ています。
素朴で、子供はとても好きそうなお菓子です。でも、大人がこればっかり食べるのは飽きそうだな。
ということで、バスケット型の方にアイスを盛りつけて食べてみました。
ちょっと食べにくいですが、アイスが一緒になると冷たさで油っぽさが中和されて、とても美味しくなります。この食べ方いいなぁ。食べたことはないけど、アイスの天ぷらってこんな感じなのかも。
アイスだけでなくチョコソースとかフルーツとか添えると、豪華なデザートになりそうです。
カロリーがかなり上乗せされていることは見ないふりをして、アイスが溶ける前に食べきりました。
憧れのキューヒライン、思ったよりも素朴で親しみやすい味でした。
作るのも難しくなく、時間もかからなかったので、急なおやつにも向きそうです。
余った生地は寝かせてクレープにしました
さて、今回は作った生地の半分だけをキューヒラインにして、半分残してしまいました。
これをどうしたかというと、翌朝まで寝かせて溶かしバターを加えて、クレープとして焼いて食べました。これも結構美味しかった。揚げるか、焼くかの違いだけで、生地自体は同じなんですね。
生地が無駄にならないでよかったです。
ということで今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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