たまに氷を食べる癖があります。
今は暑い時に飲み物に入ったものを少しかじる程度ですが、昔は氷だけを大量に食べていました。
これ、実は「氷食症」という病気らしいんですよね。
色々あって今は克服できたと思っていますが、最盛期は酷かった。
そんな私の経験についてお伝えします。
氷食症とは
氷食症とは文字通り、氷を無性に食べたくなる病気のことを指します。定義としては一日に製氷皿一杯以上だとか。
消しゴムや紙など、食品ではないものを食べたくなる「異食症」の一つに分類されています。
原因は不明とされていますが、貧血によって口腔内の温度が上がっている、味覚障害が生じることによって起こるという説や、ストレスによって強迫性障害を起こしているという説、そしてその両方の条件が揃って起こるという説があります。
20年くらい前からTVで取り上げられるようになった病気だと思いますが、少なくともウィキペディア上では未だに「原因不明の病気」なんですよね。
もう少し原因解明されていてもおかしくないのにとも思いますが……。
氷食症、私の場合は
ここまでは世間で言われている氷食症の認識。ここからは私の体感、体験によるものです。
私の氷食症は酷かった
氷食症がピークと思われるのは高校生の頃で、その当時は氷で口の中を切っても気にせず、真夏にガタガタ震えるほど身体が冷えても氷を食べるのをやめられないくらいでした。
高校生になるとマックやらミスドやらに立ち寄る機会が増えるものですが、そこで頼んだドリンクの氷を全て食べきるのが当たり前でした。
もちろん家の冷蔵庫にある氷も食べつくします。
今では考えられない量の氷を口に運んでいたと思います。下手をしたら氷しか食べない日もあったかもしれない(高校の途中から親元を離れていたので、食事のタイミングは自分次第だった)。
こんな状態からどうやって克服したかは後の方でお話しします。
氷を食べるようになったのは月経開始と重なる
私が氷を食べる癖がついたのは中学生くらいからと記憶しています。
当時はただ暑い時期に食べ始めたのが癖になってしまったのだと思っていましたが、今考えると初潮が来た時期と重なっています。
(TVで氷食症を取り上げていた際も、初潮後の中学生女子が例として紹介されていました。)
おまけにその時期、学業や部活動などでストレスフルな毎日を送る忙しい中学生だったので、貧血+ストレスという氷食症になる要素が揃っていることになります。
なぜ克服できたか?
氷食症が今ではきれいさっぱり治っている理由は、言うまでもなく「貧血を改善したから」です。
実は私は自分が貧血持ちだと気付いていなくて(親兄弟に貧血体質がいなかったため知識が無く、些細な兆候はスルーされていた)、別な病気で病院にかかった時に偶然見つけたようなものです。
ある夏休みの日、バイトで無理しすぎたのか風邪をこじらせて38℃以上の高熱が2週間下がらなかったことがあるんですよね。(バイトは当然退職)
ただの風邪にしては長い……と思って病院に行くと、血液検査で重度の貧血だと判明。確か、Hb値が6.0g/dlとかだったと思います。
医者に「これね、男性なら立っていられないですよ」と言われて初めて自分の貧血に気付くという。熱が下がりにくいのも貧血の影響があると言われました。
ここで毎日胃を痛めながら鉄剤を飲む生活が始まります。
半年くらい飲み続けてやっと年相応の女性のHb値に達し、通院終了。
その頃、真冬だったということもあり、我慢したつもりはないのに自然に氷を食べなくなっていました。不思議ですね~。
ストレスは解消されていないが氷食症は治った
氷食症が発症される原因は貧血とストレスのダブルパンチだとしても、少なくとも貧血を治せば氷食症も治まると思います。
なぜなら、貧血が解消された頃は就活真っただ中で、人生でかなりストレスがかかっていた時期だから。
それでも貧血が改善されれば氷を食べたい欲が治まるものなんですよね。
実際に、大人になると就活よりももっと大きなストレスがありますが、そのせいで氷を病的に食べたくなることはありません。
今では
冒頭でも書いた通り、今では飲み物に入った氷を口に含む程度で、一つや二つ噛むと歯茎が痛くなって食べ続けられなくなりました。
貧血については相変わらず月経困難症で、たまに食事をおろそかにするとHbが10g/dlを下回る程度(それでも貧血気味)。
鉄剤は最近胃への負担が強すぎて吐いてしまうので、たまに注射で入れてもらっています。
もしかしたら、また貧血が悪化することがあったら氷食症も再開してしまうかもしれません。
そうならないように日常的に適度に鉄分を摂るように心がけています。
私は鉄剤が苦手なので野菜やレバー、鉄ドリンクなどの栄養強化食品で摂りますが、平気な人はサプリメントが手っ取り早いです。
氷食症の弊害
現在氷が好きで好きで、という人!あなたは氷食症かもしれません。
「でも、氷を食べるだけだし、美味しいし治す必要ないでしょ?」と思っていませんか?
貧血によって起こる害は良く知られていますが、ただ氷を食べ続けることでも害はしっかり発生するんですよ!
歯や噛み合わせ、口内がボロボロになる
あんな固いものを食べ続けるのですから、歯が欠けたっておかしくありません。
実際私も小さく欠けたことがありました。
また、固いものを食べ続けるのは「片噛み」になりやすく、噛み合わせがズレたり顎関節症の原因になったりもします。
冷たいもので口内の感覚が麻痺するので、ほっぺの内側を噛んでも気付かずに血まみれになることもしばしば。
ただでさえ貧血なのに無駄に血を流している場合かと。
暖房費がかかる
実際に私に起こった害の中で、最大のものがこれ。
身体がガタガタ震えるくらい氷を食べると、ついついまだ暖かいのに暖房を付けたりしたくなります。
そのせいで、まだ9月なのに暖房をガンガン焚いてしまうこともよくありました。
プロパン暖房のところに住んでいたころ、月の暖房費が数万円なんてこともありました……。
冷え性になる
氷を体内に入れて身体を冷やし続けるのですから、当然冷え性になります。
その冷え性は将来不妊や婦人病など、思わぬところで悪影響を及ぼす可能性も否めません。
私は冷えによる不妊ではありませんでしたが(氷食症の発覚が早かったからかも)人によっては深刻らしいですね。
そして、身体を冷やしすぎると代謝が悪くなって太りますよ。
食べ合わせが悪いと下痢する
氷は油ものとの食べ合わせは最悪です。
油っこい夕食の後の氷のせいで下痢をしたことは何度となくあります。
これ、本当にきついですから……。
胃腸が弱い人は特に気を付けて!
さいごに
いかがでしたでしょうか。
現在氷食症に悩む人に言えることは、「貧血を治そう!」ということのみ!
目立った貧血症状が無い人も、貯蔵鉄が少ない「隠れ貧血」という可能性もあります。そして、隠れ貧血でも氷食症が出てしまう人もいるらしいですよ。
Hb値は大体の血液検査の基本項目になっています。
なので、気になる人は一度どこかの検査機関で調べてもらうことをおすすめします。
ただ、血液内科などで「氷食症のようなので……」と言うと、鼻で笑われたりします。←経験あり
あくまで「貧血かもしれないんです」と言った方がスムーズに調べてもらえると思います。
では、今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございます!
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