江別市角山の動物ふれあい施設「アースドリーム」では、施設内で飼育されている羊の毛を使用したクラフト教室なども行われています。
羊毛手芸をする身として、これは一度は行かねば!と、さっそく行ってきましたよ。
アースドリームに行った記事や営業時間の詳細はこちらの記事に書いてあります
クラフト講習を受けるには予約が必要です
アースドリームのクラフト部門には、スタッフが付いて指導して下さる講習と、自分で好きなようにある材料を用いて手芸を行うクラフトサークルがあります。
講習は洗い、染め、紡ぎなど、羊毛を使った手仕事全般を指導して下さり、1時間につき1000円+材料費500円。
羊毛経験者ならクラフトサークルに参加すれば一日500円で羊毛や機材を使い放題とのことです。
……こんなにお安くていいのかしら?と不思議に思っていたのですが、ご指導くださった方によると、アースドリームでは羊毛採取目的ではない羊を飼育しているので、毎年羊の体調管理のために刈っている羊毛が貯まり続けているとのことです。
これを有効に消費するために羊毛手芸仲間を募っているのだそうですよ。
この理由なら、お安い値段設定にも納得です。
ちなみに羊の種類は雑種なので、毛質は硬めとのこと。身に着けるものには向かないので、ラグなどのインテリア小物が良さそうです。
羊毛洗いにチャレンジ!
羊毛を手紡ぎするのには慣れている私ですが、グリージー、つまり刈ったままの羊毛を洗う作業は未経験。
ということで、今回は羊毛洗いを教えて頂くことにしました。
使用する羊毛はこんなふうに袋に入れて保管しているそうです。この大袋で一頭分!数kgあります。
草、泥、糞らしきものなど、色々なものが混入しています。農場の匂いとジンギスカンの匂いがします。
この羊毛はウールを食べる小さな蛾がところどころついていて、見ると動いているのがわかります。(苦手な方もいると思うので画像はナシ)
野外の草原で過ごすことが多い羊の毛ですから、保管中に虫がわいてしまうのは仕方がありませんね。ただ、虫を放置すると毛を食べられて質が悪くなりそう……。
熱湯で洗うので、その処理中に成虫も幼虫も死滅するそうです。この時点で虫が苦手な方は厳しいかも。
さすがにこれを全て洗うのは大変なので、ここからなるべく汚れていないところを選んで取ります。洗った羊毛は持ち帰れるので、毛足が長くて紡ぎやすそうな部分を取りました。
さて、大きな鍋にお湯を沸かし、70℃くらいにしておきます。
ここに粉せっけんを入れます。量は適当です。サラサラッと入れて混ぜる。
ここではサンダーレッドという大豆から作られた無添加せっけんを使っていますが、自宅でやるならどんな洗剤でも良いそうです。ただ、界面活性剤が入らない物の方が良いとのこと。
石鹸入りのお湯に羊毛を入れます。
すると……。
あっという間にお湯が茶色く濁る!
このまま混ぜずに、15分くらい放置。
15分後、一度ザルに上げて汚れた水を切ります。
まだゴミが混入していますが、かなり白くなりました。
そしてきれいな水ですすぐのですが、お湯の温度をさっきと同じくらいの温度に設定するのがポイントだそうです。
やはり15分ほど置き、ザルに上げて水けをきって、乾かして洗い終了。
汚れが多いようならすすぎを何度かすると良いそうです。私はどうせ編んだ後にしっかりめに洗うので、ちょっと汚れが残っていても問題ありません。
乾かす時間は無いので、濡れたまま袋に入れて持ち帰ります。
洗い終わった羊毛はこんな感じ。フワフワです。メリノよりは太いですが、紡ぐ太さや編み方次第で色々なものが作れそう。
なお、この一連の作業は洗濯機を使うと簡単だそうです。
と言ってもお湯と一緒に回すのではなく、洗濯機にお湯を張って洗剤を溶かして漬け込み放置→水抜き→お湯を張って漬け込み放置→脱水、の手順で行います。
お湯が入ったまま回すと羊毛が絡んでしまうのでNGですが、脱水だけなら大丈夫とのことでした。
まだ洗っていない羊毛も頂いたので、今度は自宅で洗いにチャレンジしたい。
玉ねぎ染め、コチニール染めにチャレンジ!
さて、羊毛を洗剤に漬け込んでいる間に羊毛の染色を教えてもらいます。
でも、教えるほどのものではない、と言われてしまいました……。
後媒染とか先媒染とか、染料を何%とか、温度がどうだとかはあまり気にせず、お湯に適当な量の染料を煮出したら羊毛と媒染剤を同時に入れ(同時媒染)そのまま冷めるまで放置して染料を切って乾燥させて完成、という手順。
玉ねぎ染めは、玉ねぎの皮をストッキングに入れて縛り、これをお湯で煮出します。
そして紅茶のような色が出たらミョウバンを小さじ1くらい加えて羊毛を入れます。ミョウバンを入れるとちょっと染液が濁る。
羊毛は既に洗い済みのものを別に用意して下さいました。
そしてコチニール染め。
コチニールというのはカイガラムシの一種で、濃い赤色の色素を出す天然染料です。市販の食品にもよく使われていますね。
これを棒などで潰します。天然染料ですが、これも苦手な人はいるでしょうね。
この粉をだしパックに入れてお湯につけると、あっという間にファンタグレープ色に!
だしパックを取り出して羊毛を入れ、同じく冷めるまで置く。
どちらも本当は一晩置くと良い色に染まるそうですが、時間が限られているので20分ほどで染液から出すことになりました。
水気を切ったらあまりギュウギュウさせず、干します。
さっき洗った羊毛も一緒に干す。
玉ねぎ染めはかなり濃い黄色に、コチニール染めはさくら色に。
当然ですが、染料を濃くして、漬け込み時間も長くすると濃い色になるそうです。
これらも袋に入れて持ち帰り、家に帰って改めて干しました(少し脱水をかけると乾きが早いです)。
クラフト講習費がとても安くてびっくり
これだけの作業をさせて頂き、洗った&染めた羊毛、グリージーまでおまけに貰って、講習代1000円+材料費500円。安い……。
羊毛の洗い方は本やネットに書いてありますが、やっぱり慣れた人に教わってやってみるのは経験値が違いますね。参加して良かった。
羊毛はまだ乾いていませんが、乾いたらカーダーをかけて毛糸にします。その硬さを見て、何を編むか決めよう。手織りでもいいな……。
ということで今回はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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