スコーンにはたっぷりのクロテッドクリームが欠かせないものですが、札幌の場合は街の中心部に行かないと手に入らない。
しかも、素材にこだわった本格派は価格が高く、思う存分使えない……。
そんな悩みを抱えながら調べてみると、クロテッドクリームはどうやら自作できるらしい!
本当に上手にできたらいつでも食べられて良くない?と思ったので、さっそく作りましょう!
一定の温度で長時間加熱し、脂肪分を分離させたものらしい
勝手な想像で、生クリームを煮詰めるか何かしたものかと思い込んでいましたが、実際はそうではなく、牛乳(ここでは生クリーム)を低温加熱し、脂肪分を分離させて作るらしい。
しかし沸騰するほどの温度より低い65℃、ガス火はもちろん、オーブンでも設定しにくそう。
炊飯器なら近い温度になるかと思いましたが、15時間も占拠されてしまうとご飯が炊けないということで却下。今日とんかつだし……。
そして、調べに調べまくって、ネット上にヨーグルトメーカーで作っている人を見かけたので、ヨーグルトも作れる低温調理器でいってみることにしました。
ちなみに時間は15時間だそうです……。これなら一日中放置でも大丈夫。(電気代さえ気にしなければ)
うちで使っている低温調理器。
早速生クリームを買ってきて調理を開始します
購入した生クリームは、よつ葉の純生。
純乳脂肪のホイップならどれでもいけるか……?と思いましたが、雪印や明治のものだと安定剤が添加されているので、分離しにくいだろうと推測。
ということで、安定剤無添加でフレッシュな味が楽しめる反面、取り扱いに注意しないとすぐに分離するよつ葉の生クリームにしました。分離させるのが目的なので、好都合。
ただ、これは廉価販売がウリのスーパーにはあまり置いていません。イオン、ヨーカドーあたりに行けば高確率であります。
また、この生クリームは日持ちしないので、たまに半額になっていたりします。今回は定価購入で370円。半額のときに買いたかった……!
道具を煮沸消毒します。
今回は大きめの瓶を使用します。ボンヌママン徳用ジャムの空き瓶。少なくとも400ml以上入るものを用意したい。
65℃で15時間も加熱するのでそれほど菌に神経質にならなくていいか……?と思いましたが、念のため煮沸して冷ましておく。
低温調理器は65℃に予熱しておきます。設定時間は15時間。今日中に加熱終了させるため、早朝にスタートです。
クロテッドクリームとして食べられる状態にするには、加熱したあと冷蔵庫で半日以上冷やす必要があるので、食べたいタイミングの丸一日以上前に始めなければいけない。
煮沸した瓶が冷めたら生クリームを入れる。けちくさくパックの内側の少量の牛乳で洗って生クリームに混ぜる。無駄なく脂肪分を瓶に移す。
きっちり蓋をして、予熱が完了した低温調理器入り鍋に入れます。加熱中瓶がプカプカ浮かないようにお皿で上げ底しています。
~このまま15時間放置~
15時間!低温調理器使用中は出かけられないので、出かける用事が無い時を狙いました。やっぱり夜から翌朝にかけて加熱した方が良かっただろうか……。
ということで15時間経過。黄色く脂肪分が浮いている。バターとは違うのでしょうね……。
内部は膜が張ったようになっている。もしかして、たったこれだけしかできなかった?!
いやいや冷やせば固まって分離するはずと信じて、瓶のまま粗熱を取り、冷めたら冷蔵庫に入れて半日以上置く。
~半日経過~
半日後、上部に脂肪分が固まります。
表面は溶かしバターをもう一度固めたような、一見しゃりっとした質感。
そのすぐ下は水分を取り切れていない手作りバターのようです。
これがクロテッドクリーム!市販品とは様子が違いますが、写真で見たイギリス産のクロテッドクリームと似ている。
そっと上のクリーム分をすくい取ります。少しぐらい水っぽいところが入っても大丈夫。
重量にして、27gくらいになりました。200ml(+少量の牛乳)からこれだけしか取れないのか!!
マジか……少なすぎる……。瓶にたっぷり残った生クリームはどうしよう。
スコーンとジャムと共に早速食べるよ
先日買って冷凍しておいたクリームティーのスコーンと自家製マーマレード、久世福商店のあまおうジャムを用意し、アフタヌーンティーと洒落こみます。
これに今出来上がったクロテッドクリーム!なんという贅沢……!!コスパ最悪のクロテッドクリーム……。
クロテッドクリームだけでも濃厚で脂肪のうま味たっぷり。そしてミルキーな風味が満点です。中沢乳業のより濃くてクリームがしっかりしていて、高級感のある味わい。
スコーンのほろほろしたところによくなじんで、うっとりとする味です。ジャムの甘さが加わると、もう完璧な味です……!
毎日食べたい。太ってもいい、毎日食べたい!全然量が取れないけど!
いつも買っている中沢乳業のクロテッドクリームとは違う味で、こっちの方が「純」な味です。以前買ったしんむら牧場のものに近い。
本場のは食べたことが無いのですが、多分こちらの方が本場に近い味だと思います(中沢のは自作のものよりちょっと緩い)。
ご覧の通りコスパは悪い
待つだけで作れるなら毎回自作しよう!と思うかと言えば、実際はそうではなく……。
生クリーム1パックと中沢のクロテッドクリーム1パックが同じくらいの値段。
それに加えて15時間分の電気代、そしてすぐに食べられないことまで考えると、コスパがよろしいとは言い難い。
日常的に食べるためにかけられる手間と光熱費かと聞かれれば、厳しいというのが正直な感想ですね。
一回に作る量を2倍3倍に増やせば光熱費のコストが下がるか……?でも一回の材料費が大きくなるな。
業務用1リットルパックの生クリームがたくさん余っているときに作るのはいいかもしれない。一応再加熱する体になるので、ある程度は保存が効きそう。
明日は残った生クリームを二番煎じする
さて、今回クロテッドクリームを取った後の液体はどうしましょうか。200g弱の生クリーム(47%ですから乳脂肪分が90gくらい入っているはず)から乳脂肪を多めに見ても27g取ったわけで、計算上はまだ液体部分に60gほどの乳脂肪が残っている計算になります。
これ、もう一回煎じたらまだ取れるんじゃない?と思ったので、再度電気代をかけ(ガス発電なので厳密にはガス代)二番煎じをしてみます。
こちらの様子は明日!
ということで、明日に続け!
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