先日見たネットニュースで、ご飯手作りの呪縛がどうのという記事を見ました。
品数、栄養バランス、そしてコスパや彩りなどを考えながら料理するのはストレスでしょう。そうだと思います。
料理そのものの手間もありますが、献立作成が大変、と皆が言います。専業主婦だったうちの母もそれが口癖の人でした……。
私は個人的に献立作成が好きな性質(栄養士をやっていた頃も献立作成は誰よりも早かった)だから言えるのかもしれませんが、献立作成はその日ごとに考えるよりも、何日か分まとめて立てた方が断然楽です。
全く関係ないライター稼業の今も、パートタイムのコールセンター勤務時代も、一週間分の献立を立ててそれに沿って買い物し、作るという暮らしをしています。
この機会に、献立作成を気楽に、その割に見栄え良くできるコツについて見つめ直してみました。
一汁三菜の献立はどうする!
何品作るかは家庭ごとに違うと思うので、ここでは一般に多く見られる一汁三菜(それでも頑張っている方かな)で考えてみましょう。
一般的な一汁三菜は、「ご飯+汁物+主菜+副菜1+副菜2」といった感じですかね。
ご飯は白飯という前提で、主菜は付け合わせも含むものとします。
一週間分、つまり7日分で考えてみましょう。
最初に家の食材をチェックする!
最初にするべきこと……、それは冷蔵庫の中、食品庫の中の食材の残り具合を見ることです。
冷凍肉や魚は何が残っているのか、早く食べないといけない野菜はどれくらいあるのか。
調味料の在庫もそれとなく見て覚えておければなおgood。
頭で把握するのは大変なので、できるだけ紙に書いておくことをおすすめします。
これらの「使いたい食材」を軸にして献立作成をすると、経済的です。
まず主菜だけ7日分考える
在庫確認が終わったら、最初に肉や魚を使ったメインのおかず、つまり主菜のみを7日分考えます。
このとき、まずは「自分や家族が食べたいもの、作りたいもの」を書けるだけ書き出す。
餃子、とんかつ、焼き鮭、麻婆豆腐、チキンソテー、ザンギ……と、書けるだけ。7個以上出した方が組みやすくなります。
在庫が無い材料を使うものが出てもOK。後で買い足せばいいんですから。
そしてそれを、豚、牛、鶏、魚が交互になるように並べ替えます。最初は難しいですが、食材在庫の消費期限を意識しながら並べると良いです。
並べ替えの例としては、
月:とんかつ(豚)
火:焼き鮭(魚)
水:チキンソテー(鶏)
木:肉じゃが(牛)
金:餃子(豚)
土:サバ味噌煮(魚)
日:親子丼(鶏と卵)
この主菜を軸にして献立を立てることになります。
副菜1はサラダかゆで野菜、和え物など
メインが立ったらそれに合わせた副菜。これは野菜を主体とした、基本的にその日に食べきる前提のおかずになります。
メインに合って味にかぶりが無く、かつ調理法や食材にもかぶりが無いものを立てます。
おすすめは冷菜。冷奴、お浸し、サラダ類など。
冷やして食べるものを添えれば食べる直前にバタバタせずに済むし、万が一残っても翌日にも食べられますよね。
もちろん、手間でなければ温菜でも。青菜炒めとか、卵とじとか、揚げ出し豆腐などが副菜1にちょうど良いですね。
また、残ってしまった前の日の副菜をリメイクするのも楽するコツです。
例えば、とんかつにはキャベツが付くので、それ以外の食材を使う。きゅうりとわかめの酢の物(切って合わせ酢で和えるだけ)とか、青菜のお浸し(茹でるだけ)など。
焼き鮭はちょっとボリュームが足りないので、ニラの卵とじとか、前日のゆで青菜をベーコンと炒める、とか。
チキンソテーは焼き野菜を付けるから生野菜サラダを添えて、肉じゃがはそれ自体に野菜が結構入っているので、トマトサラダでも十分。
餃子のときはもやし+市販ドレッシングでナムル風。餃子を焼く時に一緒に蒸しちゃってもいい。サバ味噌(ネギや大根も一緒に煮る)は甘めなので甘みの無いおかず、例えばゆでブロッコリー+マヨネーズとか、白菜のポン酢浸しとか。
丼ものの時は小鉢物で十分ですから、前の日の残りのブロッコリーや白菜を味変すれば十分。
副菜2は常備菜や漬物
副菜2まで毎日作るのは大変ですから、これは作り置き系のおかずを回していきます。このあたりは買ったおそうざいでも。
例えば漬物、ピクルス、きんぴらごぼう、切干大根、ひじき炒り煮など、一度作れば2~3日もつおかずをローテーションする。
きんぴらやら切干やらは冷凍できるので、たくさん作っておくと後々楽ですよね。
これもなるべく主菜と副菜1にかぶらないように注意する。
何も、3品全て毎日違うものにする必要なんて無いですよね。だから2~3日続いたっていいんです。米も味噌汁も連日続いているんですから、固定観念を取っ払えば何もおかしいことは無い。
文句を言うやつには「自分で作れ!」と言えばいい。
汁物は残り野菜や卵、大豆製品などを適当に2品入れる
汁物を当てるのは最後。
その日のおかずに登場していない残り野菜や卵、油揚げや豆腐などから2品選んで入れて完了です。
油揚げは刻んで冷凍しておけば、ちょっとつまんで入れるだけ。豆腐は冷奴用の3個パックを常備しておくと、味噌汁に使いやすいです。
味としては基本味噌汁ですよね。ただ、味噌煮や味噌炒めの時はお吸い物や中華スープに差し替えて終わり。
おかずのボリュームが足りないかな?と思う時は、具沢山汁にすると満足度が上がります。
こちらに味噌汁の具の組み合わせを思いつく限り書いています。よろしければ、参考にどうぞ。
以上のルールを守って立てると以下のようになる
これらの順に立てると、
月:ご飯、味噌汁(乾燥高野豆腐、ネギ)、とんかつ+キャベツ、ほうれんそうのお浸し、ひじきの炒り煮
火:ご飯、味噌汁(付け合わせのキャベツ残りと揚げ)焼き鮭+大根おろし、ほうれんそうとベーコンのバター炒め、ひじきの炒り煮
水:ご飯、味噌汁(大根とわかめ)、チキンソテー+焼きピーマンと焼き玉ねぎ、野菜サラダ(ちぎったレタスと切ったきゅうり)、キムチやニシン漬け
木:ご飯、味噌汁(お麩と白菜)、肉じゃが、トマトサラダ、キムチやニシン漬け
金:ご飯、味噌汁(じゃがいも、ひじき)、餃子、蒸しもやしナムル、切干大根煮
土:ご飯、お吸い物(卵とわかめ)、サバの味噌煮+大根+焼きねぎ、ゆでブロッコリーおかか和え、切干大根煮
日:親子丼、味噌汁(玉ネギ、キャベツ)、ゆでブロッコリーマヨネーズ、市販の浅漬け
どうですか、それなりにそれなりでしょう?やや給食っぽいが……。
これを見て、「カロリー高そう……」とか「手抜きだな……」とか、「味噌汁にひじきなんて入れねーよ!」とか思った人もいるでしょう。
これは一例ということで……。
でも、これらは先述のルールに沿って立てたので、30分とかかっていません。これで一週間分、献立に悩まないのなら楽だと思いませんか?
慣れてくると、近隣のスーパーの特売傾向に合わせた献立作成ができるようになります。
「火曜日は肉が安いから……」とか、「土日は何でも安くなるから豪華めにしよう」などと、特売日ベースで立てられるようになればお財布的にも楽ですよ。
最後のコツは、無理して献立通りに作ろうと思わないこと
最後のコツです!
ここまで立てた献立が何らかの理由で予定通りに行かないこともあるでしょう。
例えば帰宅が遅くなったとか、誰かから日持ちしない食材をもらったとか……。面倒になったから外食したい、という理由もアリでしょう。
そんな時は、献立をうっちゃって予定変更してOKというルールにすること。気楽にやるには、献立ごときにガチガチに縛られないようにするのも大事です。
予定していた食材が高いから、という理由で別な食材に差し替えるのも良いと思いますよ。
あくまで、「向こう一週間の献立は決まってるから、しばらくは楽だわ!」と思えるようにするのが目的です。献立作成が嫌だなと思ったら、料理そのものも嫌になってしまって、味も適当になってしまうものですからね。
「きのう何食べた?」という漫画がとても参考になる
こちらの「きのうなに食べた?」という漫画が、献立作成の参考になります。
BL漫画なので抵抗がある人もいるかもしれませんが、性的描写はほぼ皆無なので、それほどきつくないと思います。
こちらの主人公のシロさんは「少なくとも二品はノンオイル」というルールを守っているそうです。
これは中年男性の献立なので妥当だな、と思いますが、食べ盛りのお子様がいるなら多少油ものが多くなっても問題ないかも。
給食施設で献立を立てておくのは理由がある
給食施設では、栄養計算や原価計算のためだけに献立を立てるわけではありません。
調理員に指示を出しやすくし、調理員が余計なことに悩む必要なく、スムーズに食事を出せるようにという目的もあります。
つまり、献立が決まっていれば、考えながら作るよりも作業がかなり楽になるということ。例え、自分で献立を立てて自分で作るのだとしてもね。
という、自分の経験を踏まえた案を語らせて頂きました。
誰かの参考になれば幸いと思います。
これはある週のうちの献立。(今月ではない)麺類が2日入っているのは、出かける用事があって手をかけられなかったためです。
(ちなみに、結局22日は外食になりました。缶詰レシピだったので後日に回しています。)
字が汚い上になんか乱雑。画像を小さめにしてごまかす。
こんなですけど、本当に献立作成好きなんです。
献立作成してそれを売って小遣い稼ぎしたいくらい。なんてね!
こちらに過去に書いた献立記事のまとめがあります。9月までのデータですが……。よろしければご参考にして下さいませ。
では、今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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