前回、コストコで買った大容量の牛すじを煮た話をしました。
今日は、↑こちらで下処理した牛すじ肉を使って、美味しんぼ9巻「再会の丼」に掲載の牛すじの牛丼を作ります。
「再会の丼」はこんな話
美味しんぼ9巻は、昭和62年の刊行です。およそ35年前!
「再会の丼」は9巻の表題作になっていて、表紙の写真も牛丼(作中のとはちょっと違うけど)です。
再会の丼は、ブラックさんの師匠でもある八笑師匠の元弟子が、再度の入門&八笑師匠の娘を嫁にもらう許しを得るために、安い牛すじ肉を長時間かけて美味しい牛丼に作り上げ、誠意を見せるという話。
美味しんぼでは定番の、食べ物で揉め事を解決する流れですが、一話完結なのでテンポよく読みやすいお話です。
下茹で済みの牛すじ+煮汁を使う
本の中では、一度水からゆでた牛すじをすぐに醤油で煮込み始めますが、今回使用した牛すじは、2回ゆでこぼし+ネギ、生姜、日本酒で柔らかくなるまで下茹でしたものです。
この下茹で済み牛すじ肉を600gくらい(生換算だともっと多いはず)、下茹でのゆで汁カップ2、日本酒カップ1、醤油100mlと、生姜スライス2かけ分を鍋に入れて、弱火で煮込み始めます。
水面が沸くか、沸かないかくらいの弱火でまる2~3日煮るというのが美味しんぼ流ですが、ガス代が高騰している今、それは難しい。
ということで、日中は2時間煮る→2時間冷ますを繰り返し、夜は寝かせて、翌日も寝るまで2時間煮る冷ますを繰り返します。
1日目は、16時→12時まで煮る冷ますを繰り返し、翌8時までお休み。
2日目。涼しいところに置いておいたので、上に浮いた脂が冷えて固まっている。
そして、8時から22時くらいまで2時間煮て冷ますを繰り返す。蓋をして煮たので、思ったよりも煮詰まりませんでした。
3日目朝。前日取ったのにまた脂が浮いている。
これをもう2時間煮て、2時間休ませて、煮込み終了にします。
かけた日数は2日に満たないですが、ここで完成として、3日目の昼ご飯に食べちゃいます。
玉ねぎなし&玉ねぎありバージョンで作る
まず、作中にあるように、牛すじ肉だけで丼を作り、上に三つ葉をあしらったもの。
そして、こちらを盛り付けた後に、鍋に玉ねぎを足してちょっと煮て、
これを丼にしたもの。表紙の写真には玉ねぎが入っているんですよね。(でも三つ葉はない)
これらを両方食べてみます。
まず、玉ねぎなしの方。
酒と醤油だけで煮ているため、甘味のある外食産業の牛丼とは別物の味です。そちらを食べ慣れている私は、最初ちょっと物足りないなと感じたものの、牛の味、すじのゼラチン質の味などがしっかり引き立って、飽きずに食べられました。
長時間煮たおかげなのか、肉の赤身部分がホロホロになっていて、短時間加熱では出せない深みというか、味わいがあります。ビーフシチューの牛肉にもある、あの味です。これが、時間をかける価値ということですね。
また、三つ葉がシャキシャキと歯応えを加え、香りも良くて好相性でした。確かに、肉と三つ葉だけの牛丼は潔い味。
続いて玉ねぎありの方ですが、玉ねぎを足してからそう長時間は煮ていないのに、甘味が汁に出ています。普段食べている牛丼に近くなった。
食べ慣れているものに近いせいか、私はこちらの方が好みでした。
もちろん、肉だけの牛丼もとっても美味しかったですよ!
ごちそうさまでした!
コストコの牛すじ肉が良かったのか、それほどの臭みはなかった
美味しんぼの作中では、犬に食べさせるために牛すじ肉を煮込むシーンがあるのですが、ここで周囲のみんなが「臭い臭い」と大騒ぎしていました。
牛すじ肉は最初は臭いが、ちゃんと処理をして長時間煮れば高級牛にも負けないくらい美味しくなるという話にまとめられていましたが、そもそも今回使った牛肉は、下茹での段階でもそれほど臭くはなかったです。
もちろん、肉特有の匂いはあるのですが、別に騒ぐほどのものでは……という程度でした。
これは、コストコの肉質が良いのか、それとも35年前と今では牛肉事情が違うのか……。
とにかく、恐れるほどの臭さではなかったので、これから作ろうという方はご安心ください。
それより、ガス代の方が恐ろしい……。
ということで今日はここまで!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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