一昨日できたぼけりんご酵母の中種を使って食パンを焼いてみようと思います。
本当はカンパーニュやブールなどのハード系の方がカッコが付きそうですが、干し柿酵母で2回連続で焼いた(しかも満足のいかない仕上がり)ので、次は違うパンが焼きたくなったのでした。
過去に、ルヴァン種やレーズン酵母で中種を起こして、それを使って食パンを何度か焼いてきましたが、まだコツが掴めているとはいえない。
今回はこれまでにない元気な中種が育っているので、期待を込めて食パン作りに入ります。
結論を申し上げますと、トップ画像のような食パンは焼けました。ただ、改善点がかなりある仕上がりです。
ぼけりんご酵母記事一覧

ぼけりんご酵母中種を40%使用した食パン
天然酵母でパンを焼くときは中種をどれくらい使うかというのが悩みどころで、多めに消費したくて50%とか80%とか、逆に30%とか、色々な割合で焼いてみては失敗を繰り返しています。
今手元に天然酵母のパン本が何冊かあるのですが、一冊には20%とあり、もう一冊には35%、もう一冊には45%……と、まちまち。さすがに80%も使っているものは無かったけれど。
ウームと悩んで、今回は間を取ってやや多めの方、40%でいってみることにしました。
材料 大きめの1.5斤分
強力粉(スーパーキング) 350g
ぼけりんご酵母中種 140g
水 245ml
スキムミルク 15g
きび砂糖 12g
はちみつ 8g
塩 6.8g
バター 20g
工程
- 小麦粉、塩とバター以外の材料を混ぜ合わせ、そこに小麦粉を投入してざっくり練り混ぜて30分置き、オートリーズする。
- 1をホームベーカリーのパンケースに入れ、7分こねてバターと塩を入れてもう7分こねる。
- 2の生地を取り出し、表面を張らせるように丸め、薄くオイルを塗った蓋つきボウルに入れる。
蓋をして室温(24℃)に1時間半置く。 - 1時間半後、横にのびているので一度丸め直し、再度同じ環境で発酵。
↓
再度、蓋をして室温で発酵させる。 - 6時間くらいでこれくらい膨らみました。2.5倍くらいにはなったはず。
ただ、発酵中ボウルを置いているところの温度が27℃くらいになってたため、もしかしたら乳酸発酵してるかも。結構酸っぱい香りも入ってきています。 - 生地を台に移す。ボウルに面したところから細かな気泡が見えるので、発酵はうまくいっているはず……。
これを三分割して軽くまとめ、ベンチタイム20分。
- ベンチタイム後、生地を型に入れる。本来は「軽く丸め直すだけ」らしいのに、
ここで唐草成型したのがいけなかった、ガスがたくさん抜け、その後の発酵に時間をかけることになってしまった。 - 待てども待てども型の高さまで生地が膨らむことは無かった。2時間半で発酵をやめ、焼成します。
- 予熱せず焼き始めると釜伸びが良いという噂を聞きかじったので、予熱ナシ→100℃まで上げながら10分、150℃に上げながら10分、そして200℃で25分焼いてみました。
焼き上がり。釜伸びは多少しているようですが、いつも同じ量の粉で作るイーストの食パンのようにはならなかった。スーパーキングなのに……。
冷ましてカットしてみます。
釜伸びが悪かったせいか、横長な食パンですが、気泡は均等に入っているし、水っぽいところや潰れているところはありません。ただ、香りが酸っぱい。カンパーニュなどにありそうな香り。
やっぱり膨張率を気にしすぎて余計なものまで育ててしまったのかもしれない。
冷めたところでスライスして味見してみます。翌日朝食です。
気泡の入りはイーストの食パンよりも粗め、でもまあきれいな方だと思います(自作天然酵母の割には)。
味は……、香りの通りやっぱり酸味があって、リベイクもせずそのまま食べるとあまり美味しくない。バターとはちみつを付けたり、ハムチーズを挟んだりすると食べやすかったです。
発酵によって生じる小麦のうま味はちゃんとある。ただやっぱり発酵オーバーなのか、砂糖分が入っているはずなのに甘さをほとんど感じません。代わりに酸味がくる。
カンパーニュやライ麦パンなど、酸っぱめのパンが好きな人なら全然いける味。
でも、菓子パンみたいな甘くてふわふわの食パンに慣れている人にはきついかもしれません。
総評としては「もう少し頑張りましょう」ですね!
私個人の好みで言えば全然許容範囲ですが、もう少し万人受けする味に仕立てたいところです。
改善点を踏まえて、再チャレンジ
上記の食パンで改善するべきと思ったことは、
- 酸味が出にくいように、一次発酵はもう少し低い温度(23℃~24℃くらい)に置く
- 成形するときにガスを抜かない。ただ丸めるだけにする
- 二次発酵は望んだ大きさにならなくても、2時間以内で潔く切り上げる
- 次は小さい方の1.5斤型で焼いてみる(うちの2つの1.5斤型は300mlの容量差がある)
- 酸っぱい香りのしない新しい中種を起こす(一度継ぐごとに休ませる)
今回作ってみて、中種の量が40%であることは問題ないと思います。ただ、中種そのものが酸味が出やすいものの可能性もあります。継ぐときに冷蔵庫で休ませなかったせいかも。
ちょうど中種を使い切ったところで、液種は同じもので新しい中種(継ぐごとに冷蔵庫で休ませる)を起こし、上記の点に気を付けて食パンに再チャレンジしました。レシピは全く同じで型のみ小さめ1.5斤を使っています。
すみません、スライスした画像しかないのですが、前回よりは高さのあるパンになりました。
酸味はちょっとある。でも、前回よりは弱い。それより穀物のうまみを感じます。
食感については天然酵母の宿命なのか、ふわふわというよりどっしりした食感なのは変わらず。
食べやすさは断然こちらの方が上、でも高級生食パンとは全く別な食べ物で、この重さと酸味ならわざわざ食パンにせずカンパーニュやフランスパンにした方がいいかもしれない。
天然酵母食パンの正解って、なんなんでしょう……。
一筋縄ではいかない、天然酵母
今回のぼけりんご酵母の食パンも今一つで(しかし失敗要因はわかっているので改善はできるはず)、まだまだ修行不足といったところです。
せっかく中種がうまくいったと思ったのにな……。本当に難しい。性格的に不適なのかも。
でも、ぼけりんご液種もまだあるし、もう少し続けてみようと思います。
家族はそろそろ酸っぱいパンに飽きている頃でしょうけど!
ということで今日はここまで。
明後日は残りの中種を使って焼いたカンパーニュについて書きます。
コメント