憧れのフランスパン。この画像はイメージです。
いつかはクープがざっくり、気泡がボコボコのフランスパン(というかバゲット)を焼きたいと夢見ています。
しばらく前から時間がとれればバゲットにチャレンジするというのを続けているのですが、これが、失敗!失敗!また失敗!の連続なのです……。
この無残なバゲットたちの記録を覧ください。
最近になりようやくある程度膨らむものが焼けるようになったので、その際に気を付けたことなども記しておきます。
ではご覧ください失敗記録を
オーブンは東芝の過熱水蒸気石窯オーブンを使用しています。悪くない機種のはずなんだけどな……。
最初はネットのレシピで焼いてみた1回目(リスドォル)
最初は、ネットにあるバゲットレシピで焼きました。粉はリスドォル。発酵は室温3時間です。
まずクープの入れ方がおかしい。そして、オーブンのサイズと長さが合っておらず、曲がっている。
温度を最高設定(350℃)に予熱し、天板にお湯を注いで蒸気を起こしてから焼くという方法です。
焼きあがったらこんな感じになった。
断面はこんな。みっちり。
温度が高すぎた?それとも蒸気が足りなかった?
いや、それ以前の問題があるのか……?
太くしたり発酵に時間をかけたり温度を変えたりした2回目(リスドォル)
同レシピ、同じ粉で焼いています。ぐんにゃり曲がるのが嫌でちょっと太めにしました。
そして発酵に時間をかけるべきだったかと思い、冷蔵庫で8時間発酵させました。
オーブン温度はレシピにあった280℃に設定した。
やっぱりクープの入れ方おかしい。しかも一発目より開いていない。でも、中の気泡の入り方は前より良い。
こういうものだと思えば食べられる、しかしバゲットと呼ぶにはほど遠い。
温度を高温に戻し長時間発酵した3回目(リスドォル)
1回目と同じく350℃予熱→下げるにして、2回目と同様の長時間発酵で3回目を焼きました。
もう、何が原因でうまく行かないのかわからないので、細かく変えて変化を見るしかないと思い込んでいる。
やっぱり形おかしい。クープを鋭角に入れるということをやっと覚えたこの日。
スタート温度が高かったおかげなのか、蒸気がちょうどよかったのか、1本2本だけクープが開いた。
ちょっとはマシになったか……?
断面画像を撮り忘れたのですが、気泡はボコっと大きなものがいくつか開いていて、均等ではない感じだった。
表面が焼きすぎなのか、固かった。
ムラヨシマサユキ先生「家庭のオーブンで作るバゲット」を知った4回目(リスドォル)
ここで、ムラヨシマサユキ先生の本がとてもわかりやすいという噂を聞き、書籍購入。
この内容で1000円とは安いと思うほど、粉の種類、温度管理、焼成の条件など詳しく書かれている。
そして水もネットのレシピとは違い、仕込み水にコントレックスを混ぜて硬度を上げて作られている。
今思えば、この硬水仕込みが大事だと思う。
この本は使う小麦粉の種類ごとに工程が違うので、家にあるリスドォルを使ったレシピ「サクッと軽いバゲット」に従って焼いてみる。
書籍ではオーブンのスチーム機能を最初10分間だけかけると書かれていますが、タイマー設定できないので、お湯を注いで蒸気を足す方式を取る。
そして、蒸気は多い方がいいのかと勘違いしている私はおまけの過熱水蒸気も設定する。
そうして焼けたのがこの問題作!!
スリッパかよ!!
化粧粉をかなり振ったにも関わらず水分で見えなくなっている。そしてそれが糊化して表面に不要なツヤを与えている……。
過熱水蒸気だけ+ヨーグルト入りで焼いてみる5回目(タイプER)
前回の失敗の精神的ダメージが大きく、しばらくバゲットづくりはお休みしていました……。
バゲットと同シリーズ、ムラヨシ先生の食パンの本を買って、食パン作りに気持ちが移ってしまったこともある。
食パン用の粉のついでにネットで「タイプER」というフランスパン専用粉を買ったので、再びバゲットにチャレンジしてみる。
書籍でタイプERが使われているのは、失敗が少ないというヨーグルト入りの生地のもの。
少しはマシなものが焼けるかもという期待を込めて焼きます。
前回スチームが多すぎるのも良くないと思ったので、オーブンの過熱水蒸気のみ。
おお、今までで一番まともなものが焼けたのでは……。
クープも均等に開きました。これはヨーグルトの力なのか、それとも水蒸気が適切だったのか……?
また、この回からは打ち粉をふんだんに使って、もう粉で埋めるくらいにして作っています。
生地がベタついてパンマットに引っ付き、そこから変形している気もしたので。
ヨーグルトの力なし+粉にイースト混ぜ込んで焼く6回目(ヌーベルバーグ)
過熱水蒸気だけで、ヨーグルトなしの生地を焼いたらどんな感じかと思いやってみる。
粉はタイプERではなくヌーベルバーグという道産小麦。タイプERはお試しサイズの小袋購入だったので、もう使い切ってしまった。
書籍に掲載されていない小麦粉だけど大丈夫かな?と思いながら、最初に出てくる基本のレシピ(書籍ではエペという中力粉で焼かれている)に則って焼いてみる。
粉の種類のほか、もう一点、書籍から変えた部分があります。
それは、粉に最初からイースト(赤サフ)を混ぜ込んでおくこと。
なぜかというと、レシピでは冷水にイーストを散らしてから粉を入れるのですが、このやり方ではイーストが死んでしまうのか、発酵力にばらつきがある気がしたからです。
赤サフのパッケージにも「粉に直接混ぜ、冷水には直接触れないこと」と書かれているし……。
過去に水にイーストを混ぜて食パン作り失敗しているし……。
ヨーグルト入りの方はヨーグルトの力でどうにかなったが、イーストの力だけで焼くなら、安定して発酵させたいところ。
ということで、冷水で仕込むバゲットの方も発酵力に影響が出そうと考え、イーストは粉に混ぜ込む方法に変えています。
最初の10分は過熱水蒸気モード(280℃に予熱→250℃に下げる)で焼き、残り通常モードで15分焼いた。
焼きが長すぎたのか色は濃い目なものの、今までで一番バゲットらしく焼けました。
イーストを入れるタイミングの違いも絶対あると思う。
形が歪なのは成型の技術不足です。
でも、この条件下ならクープがしっかり開き、気泡もボコボコに入るということでしょう。
マスターしたとは言い難いが、味もちゃんとフランスパンだし、これくらいのものが毎回焼けるなら良しとしたい。
粉が違っても手順と焼成の条件を整えればちゃんと焼けることがわかりました。
イーストを混ぜるタイミングのみ変わっていますが、それ以外は本の通りです。
焼き時間はもう2分ほど縮めてもいいかもしれない。
ヨーグルト入り+イーストは半分粉に混ぜ、半分水に混ぜる7回目(タイプER)
しばらく切らしていたフランスパン用粉(タイプER)を買い足したので、久しぶりに焼いてみる。
久しぶりすぎて自信がなかったので難易度の低いヨーグルト入りで作りました。
イーストは水に入れるべきか粉に入れるべきかまだ判断が付かず、半々ずつ水と粉に混ぜてみる。
300℃過熱水蒸気で予熱、250℃に落として過熱水蒸気10分、通常モードで15分。
成型が下手だけどクープはちゃんと開いた。焼き色が濃くつきすぎて、堅い。でも味はいい。
7回目と同条件、焼き時間を変えた8回目(ヌーベルバーグ)
7回目がいい感じだったので調子に乗ってもう一度ヨーグルト入りで焼く。
イーストを分けて入れる、焼きの温度は全く同じだけど焼き時間を5分短縮しています。
あと、粉はヌーベルバーグを使っています。
前回焼きすぎかと思ったんですが、5分短いだけでこんな色白に……。
クープは一応開いてはいるが、水分が抜けきっておらず重たい。クラムももちもち感が強い。
ソフトフランスって感じ。ミルククリーム挟んで食べたい。
ちなみに、焼き色はともかく粉の味だけで評価するなら、私はタイプERよりもヌーベルバーグの方が好きです。
恥をさらすようですが、参考になれば
あー恥ずかしい。
でも、昔の私のように何が悪くてうまく焼けないのか戸惑っている人の参考になればと思い、まとめてみました。
これ、画像が残っているのは8回分ですが、同じ条件で2~3回焼いたものもあるので、チャレンジした回数はもっと多いです。
そして最初のうねうねバゲットから最後のクープが開いたバゲットにたどり着くまで、優に半年以上はかかっています。
たびたび別なパンに浮気しながらですが、コツを掴むまで本当に時間がかかった。
そして失敗するたびそれを食わされる家族……。
今回分かったことは、
- 蒸気は多すぎてもいけない
- ネットレシピより本を読んだ方がわかりやすい
- 仕込み水に硬水を入れた方がうまくいく
- 打ち粉は多くても大丈夫そう
- 粉は本の指定でなくてもある程度うまく焼ける
- イーストは冷水に入れるのではなく粉に混ぜ込んだ方が安定して発酵する
- 1分2分の焼き時間の違いが重要
ということです。
もっときれいなものが焼けたら、その条件と画像を追記していくかもしれません。
2022年4月追記 2年修行してレベルが上がった
最初にこの記事を公開してから2年、やっとこれくらいのバゲットが焼けるようになりました……。帯切れしていますが、だいぶマシですよね。
すぐ上の8回目のものとの差をご覧ください。
粉は「シルバーライズ」というはるゆたかときたほなみのブレンド。ヌーベルバーグも好きだけど、シルバーライズのバゲットもかなり美味しいです。
分量はムラヨシ先生の基本のバゲットの1.5倍。イーストは粉に入れる。ヨーグルトなしです。
最終発酵は25分でやめる。室温は21℃。
オーブンは300℃水蒸気ありで予熱し、250℃水蒸気ありで10分焼き、水蒸気なしに切り替えて12分焼いています。
焼減率なんてものも覚えまして、バゲットの適切な焼減率と言われる22%ドンピシャの焼き上がりでした。
この記事一番上のバゲットから順に見ていけば、成長がよくわかります。(最後のバゲットとそのひとつ手前の仕上がりの差が大きいけれど)
だから、今バゲットがうまくいかないという人、諦めないで!あんなうねうねバゲットから始まっても、これくらい上達するんですよ!
ということで今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント
こんにちは。
楽しいブログをありがとうございます。
パン大好きでできるだけ手作りしています。
カンパーニュはコッタの鍋を使ってうまく焼けるようになったので、今度はフランスパンに調整します。何度か失敗したことあります。ムラヨシさんの本、早速購入しました。
ピッピさま
コメントありがとうございます!
鍋焼きカンパーニュ、うまく焼けると聞いていつかチャレンジしようと思っていました。cottaの鍋も見てみますね。
ムラヨシ先生の本、本当におすすめです。本の通りやってもまだ成功率が高いとは言えませんが、失敗してもその理由がわかるようになりました。
共感しかない記事、ありがとうございます。
私も手作りパンに目覚め、最初はハードパンばかり作っていましたがクープがうまく開かず…最近は心が折れたので食パンに浮気中です(笑)
私が一番うまくクープが開いた時は2次発酵(最終発酵)の時間が予定より短かった時です。発酵させすぎると窯伸びが悪いらしいです。イーストの力が弱くなるんだとか…
いつもナマコのようなのっぺりパンを焼きあげております…
でも味は美味しいんですよね。手作りパン…最近パン屋行ってないです。
また遊びに来ますね~!
良かったら私のブログものぞいてみて下さい。始めたばっかりですが(笑)
もちこさん
コメントありがとうございます!今はこの記事公開時よりもいくぶんまともなバゲットが焼けるようにはなりましたが、まだまだ……です。
うまく焼けた時は最終発酵が短い、これなんかわかる気がします。生地がダレてなくてクープも攣れずに入るし、ふくらみもいい。思ったより短めを心掛けてみます。
もちこさんのブログも拝見しました、コメントしたかったのですが、使用しているアドレスではコメントを残せないみたいでそのまま帰ってきてしまいました。
おすすめの食パンの本は、ムラヨシマサユキ先生の「家庭のオーブンで作る食パン」、バゲットの本と同じシリーズです!安いのに内容が充実しているのでお得ですし本当にためになります。
また遊びに来てくださいね。もちこさんのブログにもたまにお邪魔しますね!
ブログ覗いてくださいりありがとうございました!
コメントできなかったんですかー?なんでだろう…
何分始めたばかりで、セキュリティとかよくわかってないので私の設定
に問題があるのかもしれません。ごめんなさい🙇
ムラヨシマサユキ先生、cottaでおなじみですよね。
今度見に行ってみます。
また遊びに来てください😊私もお邪魔します!