昭和元禄落語心中という物語。
雲田はるこ先生の漫画が原作ですが、ここからアニメになり、そして現在NHKのドラマ10枠でドラマが放送中です。
漫画自体は数年前に完結している作品ですが、今年に入ってから少しずつ読みはじめ、先日やっと最終巻を読了しました。
その感想や、まだ見始めていないドラマへの期待を語ろうと思います。
昭和元禄落語心中はこんな漫画
タイトルからわかる通り、落語家の生きざまを描いた作品です。
物語は昭和最後の大名人と謳われる落語家・八代目八雲のもとに刑務所出の弟子入り志願者・与太郎が転がり込むところから始まり、八雲の養女小夏の両親、助六とみよ吉が登場する過去のお話、そして再び現代(作中では昭和~平成初期)に戻り、それぞれの芸の道や人間関係が未来へ向かって描かれて行きます。
(落語家が主役なので、襲名によって作中での呼び名が変わっていきます。)
その中には芸としての落語を極める落語家の苦悩だけではなく、それを取り巻く人間関係の愛憎なども盛り込まれていて、落語に詳しくない私のような人でも読みやすい漫画でした。
なぜか私は雲田はるこ先生と言えばBL作品(読んだことは無いのですが)という印象がありました。
そのため、この昭和元禄落語心中ももしかしたらBLの要素が今後出てくるかも……という懸念がありましたが、そんなことは一切なく。
様々なタイプの男前がたくさん登場し、時には男性同士のシーンも艶っぽく描かれていることから、「この男性キャラはこの男性キャラに恋している?!」と疑ってしまうところもあったのですが、実際はしっかり男女の愛憎が軸になったお話でした。
ネタバレになるので言えないのですが、最終話で大きなどんでん返しが発生します。
読んだ直後は、鈍い私は「いや今更それあり得ないでしょ!!」と思ったものですが、このどんでん返しを知ったうえで一話から読み返すと、あのシーンもこのシーンも見方が変わってくる。そういう見方で見ればあの結末もあり得る……と、妙に納得してしまうのでした。
きっと、鋭い読者さんは、最終話に行きつく前にその可能性に気付いていたでしょうね。落語への描写に集中して、私は見落としてしまっていました……。
最終話の衝撃に落としどころを付けるようにもう一度一話から読み返して、二度目の最終話はとてもさわやかに、「心中」という言葉とは真逆の未来への希望を感じながら読み終えることができました。
落語好きの人はもちろん、あまり知らない人にもおすすめの一作です。絵もごちゃごちゃしすぎていなくて、きれいですよ。
全10巻というボリュームが、休日に2~3日かけて一気読みするのにちょうど良いと思います。
NHKでドラマが放送されています
この昭和元禄落語心中、過去にアニメになったそうですが私は未視聴。その頃この作品の存在を知らなかったので……。
そして今、NHKでドラマ化されて放送中です。
主役の八代目八雲は岡田将生さん。現代パートでは年齢を重ねている設定なので、老人風の特殊メイクで演じます。
過去の物語に重きを置いた構成なのか、若い役者さんを起用されていますね。
私は録画したものを一話までしか見ていないのですが、メイクで顔は変えられても、声が若いな~~というのがちょっと不満。
でも、ラストのあのオチを知ってしまったので、寧ろ高齢の役者さんよりも見やすい、というか、変な嫌悪感を抱かずに見られるかもしれません。
そして与太郎役は竜星涼さん。この方、若いのに色んな役をこなされていますよね。印象が全く違う役も全て自然に演じられる演技力をお持ちだと思います。
自動車のCMの花輪くん、激レアさんドラマの主人公、アンナチュラルの葬儀屋さん、ひよっこの警察官の役……と、全て違う雰囲気です。
ただのイケメン枠におさまらない、いい役者さんです。
物語のカギを握る小夏役は成海璃子さん。美人さんなんですが、個人的にはちょっと合わないのでは……と思い中。
落語の練習をしている滑舌の悪さや発声の悪さが気になる。
与太郎に「姉さんは声がいい」と言われるシーンがありますが、そうかな?と首をかしげてしまいました。
今後、どう演じてくれるかに期待です。
まだ一話しか見ていませんが、全10回で全てを描ききれるのかしら……?と、期待と不安を感じつつ、少しずつ見て行こうと思います。
ドラマで興味を持たれた方は、是非漫画を
きっと、ドラマからこの作品の存在を知った人もいると思います。
漫画から入って実写を見ると違和感を持つと言われていますが、実写から入って漫画を読むなら、寧ろ楽しめることが多いと思っています。
ですから、ドラマで興味を持たれた方は是非漫画もどうぞ。
ということで今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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