前回に引き続き、北海道弁のお話です。
北海道に限った話ではありませんが、その土地でしか言わない病気の名前って、ありますよね。
しかも、語感からはどこがどうなった状態を指しているのか全く想像できないようなものばかりです。
今日は、そんな病名や体調を示す北海道弁をご紹介します
病気関連の北海道弁!かなりディープな言葉かも……
ここでご紹介する5つの言葉、「めっぱ」以外は札幌生まれ札幌育ちの夫に通じませんでした。
私の地元の人にも、そことは違う地方出身の知り合いにも通じるのですが……。
ということは、北海道でもなまりがきつい方面でしか使われていない言葉なのかもしれません。
ばふらめく

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「心臓がドキドキする」という意味です。
病気に限らず、走った後や階段を上った後、緊張、恋などで動悸がすることってありますよね。それら全般を「ばふらめく」と表現します。
「こんなに急な坂道、心臓ばふらめくわ」「夜中に心臓ばふらめいてこわかった(つらかった)」などと使われます。
上の例のように、心臓と頭に付けて使う人が多いのですが、「ばふらめく」という言葉自体、心臓にしか使われません。じゃあ、心臓と付けず「ばふらめく」だけで通じるのでは……と思いますよね。
(お腹が)ニヤニヤする
顔が思わずにやけてしまうことではありません。痛いというほどではないが、お腹に不快感があるときに使われます。
私はあまり使いませんが、親の代、祖父母の代では使っている人をよく見ましたので、きっと今は廃れてきている方言なのだと思います。
正直言って、どういう状態が「ニヤニヤする」というのか、私もはっきりわかっていません(笑)
この言葉を使う親類に聞くと、「痛くはないけど、シクシクするというか……」と言っていました。じゃあ「シクシクする」でいいじゃん!と思いましたが、それだとちょっと違うようです。
がんべ
この言葉は北海道弁まとめなどでよく出てくるので、道外でもある程度認知されているかもしれません。
がんべ=できもの、おできのことです。
ただ、「がんべ」はできもの全般を指す言葉だという人と、頭皮にできるできものを指すという人がいます。ちなみに私は頭皮のできもののことだと思っていました。
子供の頃、頭をちゃんと洗わなかったり、砂遊びをして頭に砂をかぶってしまったりした時に、親に「がんべできるよ!」と言われていたからです。
顔や、その他身体全般におできができても「がんべ」とは言わなかったなぁ……。
恐らく、どちらが正しいというのはありませんが、とにかく「がんべ=できもの」と覚えていればよいかと思います。
ガッチャキ

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シモの方関連の言葉で失礼します。
北海道では、ガッチャキというのはいわゆる「痔」のことを指していう人が多いです。
……と思っていたら、昔トイレに置いてあった缶入り軟膏に「痔・ガッチャキ」と書いてあった記憶がある。痔とガッチャキは別物……?
調べると、青森の風土病で「シビ・ガッチャキ病」という、ビタミン欠乏が原因で重度のあかぎれになる病気があるそうです。(お尻に限らない)
それがどういうわけか、北海道では「ガッチャキ=痔」というふうに伝わってしまったようですね。
ちなみに、金色の缶に入ったこの軟膏、痔神膏と言って、青森の薬局で作られていたものだとか。30年くらい前の記憶なので、今も作られているかはわからないのですが……。
めっぱ

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めっぱ。いわゆるものもらい、麦粒腫を指します。
関西の方ではめばちこ、四国などではめいぼと、全国各地に麦粒腫を指す独自の言葉があるようです。
小学生の頃、眼帯をして登校した子に「めっぱになったの?」なんて言っているのがよくありました。
一番標準語に近いであろう「ものもらい」という単語を知らないわけではありませんが、なんとなくそう言うと気取っているような気がして、「めっぱ」としか言えなかった記憶があります。
ところで、衛生環境が良くなったのか、昔に比べてめっぱの子供を見なくなった気がします。
ガッチャキの薬で思い出したことをひとつ
本文中に出てきたガッチャキの薬、痔神膏ですが、火傷をすると親に塗られるのがすごく嫌でした……。
痔神膏の説明書には火傷も適用すると書かれているそうなのですが、子どもの自分としてはお尻に塗るものを顔や手に塗りたくなかったんですよね。いつもトイレに置かれているし、お尻を直接触った指で二度塗りしてるかもしれないし……。
製造元の南薬局さんには全く罪はないのに、勝手に嫌なイメージを持っていてすみませんでした。
ということで、今日はここまで!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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