ある日、婦人科で行った全く別件の血液検査で、甲状腺の機能に問題があることがわかりました。
その病院では詳しい検査はできないということで、当日のうちに紹介状を持って内科へ。
そこで出た結果は、「橋本病」。ただし症状はなく、治療の必要は無いとのこと。
血液中の抗サイログロブリン抗体の数値のみが異様に多い状態でした。
また、エコー検査では、甲状腺が正常より一割くらい大きいことが確認されています。
この機会に、橋本病についてちょっとお話しします。
※ヨード制限中の人が気を付けたい食品についての記事をこちらに書いています。
※橋本病でも気兼ねなく食べられる、昆布を使わないおでんの作り方を書きました。
橋本病とは
橋本病は正しくは「甲状腺機能低下症」という名で、症状は、体重が急に増える、全身がむくむ、体温が下がる、便秘、乾燥肌など。
甲状腺が司る身体の機能が低下していることにより起こる症状です。
私は運よくこのような症状が出る前に発見することができました。
先生によると、成人女性の10人に1人は私のように治療を要しない橋本病で、その更に10人に1人が治療を要するものなのだそうです。
自覚症状が無いことが多いので、自分が橋本病だと気付いておらず、症状が出始めてから気付く人も多いのだとか。
治療を要しない橋本病のただ一つの注意点は、「ヨード制限」
そう考えると珍しくない病気ですが、今後は症状が悪化しないように気を付けなければいけないことが一つだけ。
それは、「ヨードを摂り過ぎない」こと。
ヨード(ヨウ素)は甲状腺に蓄積されやすい性質を持つため、摂り過ぎると甲状腺の機能が崩壊する原因になるからです。
ヨードは海洋性食品のほとんどに含まれていますが、特に多いのは昆布やひじきなどの海藻類。
具体的にどれくらいが上限かということまでは指導されませんでしたが、目安としてはわかめの味噌汁は一日一杯、昆布だしの料理も一日一杯まで。そして、昆布そのものはNGということです。
昆布は佃煮をほんの少し食べただけでも一発KOされるくらいのヨードが含まれているのだとか……。
和食派、海苔大好きの私に海藻抜きはかなりキツイ
我が家は朝はパン、昼は前日の残り物、夕食はご飯と味噌汁、おかず数品という構成ですから、夕食には昆布だしの味噌汁を食べられるということになりますが、やっぱり昆布や海苔の佃煮を飯の友にできないのはしんどいものです。
今までは海苔の佃煮のおにぎりに海苔を巻いて食べたり、おでんの結び昆布をいくつも食べたりしていたのに、それができなくなるとは……。
旦那の親戚が昆布の名産地に住んでいるため、料亭で使うような上等な昆布をたまに頂くのですが、出汁だけとって捨てるのが忍びなく、結局美味しく食べてくれる人に差し上げています。
また海苔は一日三枚までと言われていますが、2月3日、つまり節分だけは気にせず食べられる日と決めて、太巻きを食べるのを楽しみにしています。
手巻き寿司だとついつい枚数を食べてしまいますからね。あとは、たまの回転寿司で食べる軍艦や海苔巻き程度でしょうか。
最初の頃は「食べられない」というストレスがキツかったものですが、それは大げさに言うと「海藻食べられない自分かわいそう」に負けていたところもあると思います。
海藻抜き生活、今ではだいぶ慣れてきました。
橋本病の診断は下されましたが、体調に変化が無いまま数年経過しているので今では昆布を断つ暮らしにも慣れてきました。
でも、やっぱりあのグルタミン酸のうま味が恋しくなってしまうんですよね。
そんな時はトマトや豆、ブロッコリーなど、グルタミン酸が多い野菜を食べて満足させるようにしています。
グルタミン酸ナトリウム、つまり化学調味料を使うことで補える部分は、そうしています。
化学調味料は悪だという見方が強いですが、昆布を食べられない人には強い味方なんですよ。だから責めないで……。
いつもは旦那の「のり弁」を作りながら、「いいな~」と羨みながら、たまに私の口に入る機会を楽しみにしています。
あなたも橋本病の気があるかも……?
これを読んでいる人(特に女性の方)も、もしかしたら橋本病の可能性があるかもしれません。
一般に会社で行われるような定期検診では、甲状腺の数値までは調べないことが多いそうです。
橋本病は妊娠をきっかけに発症、そして悪化することが多く、しかも発症すると流産のリスクが高まる病気です。
ですから、これから妊娠を考える人は調べておくべき病気なのです。
(ちなみに、私が住む札幌市は、妊娠すると必ず甲状腺機能について調べなければいけないことになっています。)
今までそんな病気を考えたことがなかったという人も、頭の隅に入れておいて下さいね。
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