数年前から一度は作ってみたかったマナラ。今年はやっと作ってみたのですが、トップ画像からわかる通り、仕上がりは無残!
マナラは12月6日「聖ニコラウスの日」に食べる菓子パンです。
2年前にも聖ニコラウスの日に食べられているお菓子「スペキュロス」を作りましたが、今日作るのは、それとはまた異なる、フランスのアルザス地方で食べられているそうですよ。
最近、しゃれたパン屋さんなどでも見かけることがあるので、ご存知の方もきっと多いですね。何年か前にグレーテルのかまどでも取り上げられていました。
そんなマナラを作ってみたところ、意外と難しい!!
聖ニコラウスとマナラのお話
スペキュロスのときも説明したことですが、12月6日は聖ニコラウスの日というキリスト教の祭日です。
聖ニコラウスは、日本でも人気者のサンタクロースの起源とも言われる聖人です。
様々な国に広まるキリスト教の聖人ですから、「ニコラウス」だったり「ニコラオス」だったり「ニコラオ」だったり「ニコラス」だったりと、地方によって発音が違いますが、今日は「ニコラウス」で統一したいと思います。
聖人ですから色々な伝説が残っていますが、今回のテーマの「マナラ」にまつわるお話を。
これ、怖い話なのでさらっといきますね。
肉屋に殺されて塩漬けにされた男の子を聖ニコラウスが不思議な力で生き返らせ救った、というエピソードから作られているのが、この子供の形をしたパン「マナラ」なのだそうです。
「マナラ」というのは男の子という意味。子供の形でかわいいパンだね、だけでは済まされない、本当に怖い話です。
なぜ殺した?とか、なぜ塩漬けに?とか、罪を悔いたらリセットなのかよ!とか、この話を深堀りするとパン作りを楽しむどころではなくなるので、このあたりにしておきますが、とにかく、聖人の偉業にちなんだ食べ物ということで、今でも親しまれているのだそうです。
作り慣れたブリオッシュ生地でマナラを作る
さて、気を取り直してマナラを作りましょう。
マナラは特別な日のお菓子ですが、生地自体はよくあるブリオッシュで作るもので、成形時に人型にするだけの違いです。
ブリオッシュ生地はマリトッツォを作るときやサバランを作るときによく焼くので、そのレシピでいきます。
材料 6体分
強力粉(今回はキタノカオリ) 300g
牛乳 60ml
バター 60g
全卵 1個
卵黄 2個
砂糖(今回はてんさい糖) 30g
塩 3g
インスタントドライイースト 6g
ぬるま湯 45ml
飾り用にドライフルーツやナッツ、チョコなど
作り方
- 牛乳を70℃くらいに温め、その中にバターを入れて溶かしてしまいます。
- バターを溶かしている間、ぬるま湯にインスタントドライイーストを振り入れて軽く混ぜ、予備発酵させる。
- 牛乳、バターの液体に溶いた卵を入れて混ぜる。
- 3と強力粉、砂糖と塩をHBのパンケースに入れ、パン生地モードで水分が全体に回るまで混ぜる。
- これくらいざっくり混ざったらイーストを溶いたお湯を入れて、さらにこねる。
- 表面がつるりとしてグルテンの膜が張るようになったら取り出し、丸くまとめてボウルに入れて室温で1時間ほど発酵させる。
発酵前はこんなもんですが、発酵後はボウルいっぱいくらいに膨らみます。 - 発酵後の生地を6等分して断面を中に入れ込むようにして丸くまとめ、ベンチタイム20分。
- さあここからが「マナラ」らしくなる工程です。人形型に成形するのですが、色々なパターンを試してみました。
雪だるま状にしてから、片方をハサミで4つに切ってみたり。タコっぽい。
パーツごとにちぎってくっつけてみたり。筋肉……。
指で引っ張って手足を作ってみたり。ヒトデみたくなりました。
- 暖かくて湿度のあるところで二次発酵。今回、オーブンのスチーム+発酵機能を使いました。
45分かかりました。
↓
わ、思った以上に膨らんだ。嫌な予感……。 - 生地にドリュールを塗り、レーズンなどで飾りつけを……といきたいところですが、レーズンは別なお菓子に使って在庫を切らしていたんでした……。代わりにチョコとナッツで飾りつけをしてみました(これが良くなかった)。
- 200℃に予熱したオーブンで12分焼く。
焼き上がり。
あらら、チョコが溶けてズレてしまっている……。
比較的人型に見えるものを選んで撮影。
人型に見えなくもないか?くらいの出来。おかしいな、もっと上手にできる予定だったんだけどな……。
でも、中はふわっふわですごく美味しいです。それだけが救い。全体をチョココーティングしても美味しそう。飾りつけのダメさをごまかせるし……。
納得のいくマナラを作るために6日までにリベンジしたいところですが、余り卵白が大量に発生するので、来年までお預けかな……。
ほんっと、ブリオッシュって卵白が余るのよ!余っても別に使い道はあるんですが、量が多いとさすがに困っちゃう。
来年の12月に、美しいマナラが焼けたらまたブログに載せます。
マナラだったり、スペキュロスだったり、地方によって食べるものが違う
同じ「聖ニコラウスの日」でも、フランスのアルザスではマナラを食べ、ベルギーなどではスペキュロスを食べるという違いがあります。これはとても興味深いです。日本と中国や韓国も、十五夜や七夕などで食べるものが違いますね。
祭の起源は同じでも、その国や地方の食文化によって「定番」が違ってくるのは当然のことで、同じ時期でも手に入る食材が異なります。
興味深いですね!
また何か、特別な日のお菓子を学んで作ってみたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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