じゃがいも農家でアルバイトしている親戚がいて、たまにまとまった量の片栗粉を頂きます。
片栗粉なんていくらあっても余ることはないので、いつもは料理だけで消費しつくしてしまいます。
が、今日はちょっと趣向を変えて、小麦粉ではなく片栗粉を使うケーキを焼いてみようと思います。
その名も、「トルタ・サッビオーサ」!イタリア語で、砂のようにもろいケーキという意味です。
イタリアンレストランでバイトしていた頃に知った「サッビオーサ」
学生時代にイタリアンレストランでバイトしていたのですが、その時にデザートメニューにサッビオーサがありました。
ティラミスやジェラート盛り合わせや季節のフルーツタルトなどがメニューに並ぶ中、薄茶色い塊でしかないサッビオーサはあまり人気がなく、いつも余りがち。
生クリームやフルーツを使っていない分賞味期限が長く、売れ残っても翌日に回せるお菓子ではあったのですが、それでもお客さんに出せない状態(製造から2週間だったかな)になることが何回かありました。
そういう状態でも食べられなくはないので、余ったお菓子はバイトが頂ける仕組みだったのですが、売れ残って私の口に入ったサッビオーサはなんとも脆く、武骨な外見の割に繊細な味でした。
それ以降、作り方を知りたいと思いながらも知ることができず20年近く経過しました。
最近になってネットでサッビオーサのレシピを見かけたので、作ってみようと思った次第です。
サッビオーサを作ってみる
初めて食べたサッビオーサ、きっと小麦粉だけで作られているお菓子ではないと思いましたが、まさか片栗粉だとは……。主材料は身近なところにあったんですね。
大きな丸マンケ型で焼くレシピが多いようですが、私がバイト先で食べたのは小さな丸形でした。
それに近づけたいので、マフィン型を使います。
材料 マフィン型6個分
片栗粉 150g
ベーキングパウダー ひとつまみ
卵 1個(正味60g)
グラニュー糖 100g
バター 70g(全て無塩で作っていますが、有塩でも塩気があって美味しいと思います。)
バニラエッセンス 少々
型用バター、強力粉 少々
作り方
- 型に型用バターを塗り、強力粉少々をはたいておく。冷蔵庫で冷やす。
- 片栗粉はベーキングパウダーとともにふるう。卵、バターは室温に戻しておく。
- 鍋に30℃くらいの湯を張り、卵とグラニュー糖を入れてハンドミキサーで泡立てる。
もったりしてきて、「の」の字を書いたら一瞬おいて文字が消えるくらいまで泡立てる。
- 3にバターを入れ、湯煎にかけたままハンドミキサーで混ぜ続ける。なじむまで低速で、バターの粒がなくなったら高速にして混ぜる。
- マヨネーズくらいのクリーム状になったらふるっておいた片栗粉を2回に分けて加え、ヘラで混ぜる。グルテンが出ないので多少しっかりめに混ぜても大丈夫です。
- バニラエッセンスを少々垂らし、1の型に入れて170℃に予熱したオーブンで30分焼く。
↓
焼き上がりは、なぜかこんもりと膨らんでしまった。ベーキングパウダーが多かったか?
でも、表面はかっちりして、あの日食べたサッビオーサに近い!
焼き立てより冷めてからが美味しいです
しっかり冷めたところで頂きます。
生クリームを添えたいところですが、無いのでバニラアイス添え。ついでに苺ソースもかけてみる。(冷凍苺+砂糖をちょっと煮たもの)
合わせる飲み物はきっと紅茶だな、と思ったので、ダージリンを淹れてみました。
断面はこんなにきめ細やか。
普通のパウンドケーキよりもパサッとします。でも、卵ボーロとか落雁みたいな感じじゃなく、固めのバウムクーヘンの食感に近い。バウムクーヘンもコーンスターチとかたくさん入るものね。
そしてこのパサパサ感も、アイスクリームや苺ソース、紅茶で潤いを補えばちょうどよく、またもう一口欲しくなる。
小麦粉のケーキのようでいて、それよりも儚く崩れる。
なんというか、ドラマチックな食感です。
片栗粉のケーキだからどんな食感になるかと心配でしたが、思った以上に美味しい!私はとても好きな食感。
あの日のサッビオーサとは少し違う気も
しかし、20年前のサッビオーサはもう少し小麦粉っぽさがあった気もする。
でも、このデンプンのホロホロ感もあったので、小麦粉+片栗粉かコーンスターチを混ぜ合わせて作っていたのかもしれない。
私が記憶を改変してしまっている可能性もありますが、そのお店はもうないので確認のしようが無い……。
まあいいか、今日作ったサッビオーサも十分美味しいです。片栗粉の消費にもなるしね。
家にある材料で作れるので、また気が向いたら作ってみようと思います。
ということで今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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