「スペキュロス(スペキュラース)」というお菓子を知っていますか?
オランダやベルギーなどで12月5日または6日に食べられている、スパイス入りのビスケットです。
クリスマスに食べるジンジャーマンビスケットに似た茶色い容姿ですが、こちらは「ミラのニコラオス」という聖人にちなんだ日に食べられるお菓子だそうな。
今日はまさに聖ニコラオスの日(オランダ版)。スペキュロスを焼きましょう!
今回、手に入りにくいスペキュロス型の代用として、中華菓子でおなじみ「月餅」の型を使えないかと思ってやってみました!
スペキュロス型は高いので月餅用の押し型を使ってみる
このお菓子の持つ意味は知らなかったのですが、ある菓子店で見かけ、スパイシーな風味が初めての感覚で、食感もサクサクととても美味しかったので「いつか自分でも作ってみたい……」と憧れを抱き続けていました。
このお菓子、材料だけで言えばすぐに手に入るものでできるのですが、冒頭に書いたように専用の型が入手困難。
調べてみると本場でもとても高価なもののようで、一般家庭では普通のクッキーの抜型などでスペキュロスを作っているそう。
でもな、せっかくだから何かで代用できないだろうかと調べて、中華のお菓子「月餅」の型がそれっぽいデザイン(よく見れば全然違うけど)だと思ったので、これを使ってみることにしました。
月餅型はとても安く、4つの大きさ×3つのデザインがセットになって、中国からの送料込みで1500円……。元値いくらなの?!
Yahoo!ショッピングで販売されていたのですが、先に購入した人の口コミによると、思ったより悪くなさそう。
これをポチっと購入して、到着まで二週間ほど待ちます。
届いたものは袋がシワシワで、中身は大丈夫なのか心配になる。
本体は無事でひと安心。ちょっと汚れがついているのでしっかり洗う。
なんか、4種類あるうち3つはクリーム色で、一つだけ白なんですが……。まあいいか。
色々と動かしてみて、うまいことスペキュロスに使うには……と考えてから、生地作りに入ります。
では作っていくよ
スペキュロスのレシピですが、国内外の色々なレシピを調べていると、
- 白コショウやシナモンなどのスパイスを使う
- ブラウンシュガーを使う
- 膨張剤は重曹を使う
というのが共通のようで、あとはバター、卵、小麦粉で作る普通の型抜きクッキーと変わりないようです。
レシピの分量も様々なので、バターが多めとか粉が多めとか「これ!」と決まった配合があるわけではないんですね。
それを知って緊張がほぐれたので、気楽に普段のクッキー作りと同じ感覚で作っていきます。
……の前に、スパイスミックスを作っておきましょう。
スペキュロス用スパイスミックス
スパイスミックスもレシピによって異なるようです。
今回はシナモンを多く入れたものにします。使うスパイスは事前に粉にしておきます。(最初から粉のものも使用しています)
シナモンパウダー 大さじ2強
ナツメグ 小さじ2
クローブ 小さじ2
ジンジャー 小さじ2
白コショウ 小さじ1
カルダモン 小さじ1
これらを混ぜ合わせて瓶に入れておきます。一般的なスパイスミックスと同じく、密閉しておけば2~3ヶ月は香りを維持できるはず。
意外と白こしょうがきつい。くしゃみが出そう……。
シナモンの比率がとても高いのに、他のスパイスに負け気味です。シナモン香って他のスパイスよりも弱いのかしら?
内容からいって、スペキュロス以外のスパイシーお菓子に使えそうだし、カレーに入れてもいいと思います。ミルクティーに入れればマサラチャイ風になりますね。こしょう効いてますが……。
スペキュロス材料
薄力粉 230g
重曹 小さじ1
スパイスミックス 大さじ1.5
食塩不使用バター 110g
バニラエクストラクト 小さじ1
てんさい含蜜糖 100g
卵(LL) 1個
成形用の粉砂糖(グラニュー糖でも可) 適量
生地作り(寝かせるまで)
- 薄力粉、スパイス、重曹を混ぜ合わせてふるっておく。
- バターを室温で柔らかくし、泡立て器でポマード状になるまで混ぜる。
- てんさい糖、塩、バニラエクストラクトを加えて白っぽくなるまですり混ぜる。
てんさい糖の粒が大きいので、ざらざら感は残りますが、適度に空気を含んだところで混ぜるのをやめます。 - 卵を溶き、3のボウルに少量ずつ加える。ふわっと柔らかく泡立つまで混ぜる。
- 1の粉類を一気に加え、ゴムベラに持ち替えて粉気がなくなりひとまとまりになるまで混ぜ合わせる。
- ラップに5を包み、直径4~5cmくらいの棒状に成形して冷蔵庫で一晩休ませる。今回は午前中に生地を作り、8時間寝かせて夜焼きます。
月餅型で成型チャレンジ
※天板にオーブンシートを敷いておく。オーブンを190℃に予熱する。
生地の寝かしが完了したら、さて、ここで月餅用の型の出番です。油を塗ったり、型に粉をまぶしたりなど色々試した結果、生地の上面(型に触れる方)に粉砂糖を薄くまぶしておくのが一番くっつきにくいということになりました。
他にグラニュー糖でも試してみたところ、こちらでも型離れは良かった。焼き上がりはグラニュー糖をまぶした方が表面カリカリになります。
生地を5mmにスライスし、粉砂糖をまぶしてオーブンシートの上に置き、上から模様のついたプレートをかぶせる。
そしてその上から月餅型の本体でプレスするようにして成形する。模様が出ればいいので、軽く押す程度に。力をかけすぎない。
プレスしたあと、生地はプレートに全てくっついている状態になるので、これを手でそっとはがし、天板の上に並べます。
これは最初の方に試したものですが、意外ときれいに模様が出ている。
大きい角形、大きい丸型、小さい角形、小さい丸型全て試したところ、大きい型は両方ともはがしにくく、きれいに模様が出ない。また、模様プレートも溝が深いものは生地が詰まってうまくはがれませんでした。
最終的に12種類のうち、小さい角・丸型のうち1種類ずつ、使いやすいものばかり使っていた。
ある程度成型が終わったところでオーブン温度を170℃に落とし、焼き一回目。12分焼きました。
結構間をあけて並べたつもりでしたが、生地が広がって大きくなり、くっついてしまったところがある。
もともとの型の大きさより一回りは大きくなります。
これを踏まえ、二回目は生地同士の幅を大きく取って同様に焼き12分。
↓
冷めたらそっとシートからはがす。
完成しました。うまいこと型の模様が出てくれたでしょうか……?
重曹の効果で軽く膨らんでいるため、焼く前の模様のシャープさは薄れています。
が、模様はちゃんとわかるので、うまくいったと言っていいのではないでしょうか!
月餅の型でスペキュロスを作る場合のまとめ
最後に、今回やってみて感じたコツや反省点をまとめます。
- 月餅型は小さめの方が生地をはがしやすい(一回りふくらむので、焼く前に小さく感じても大丈夫)
- 型の模様は溝が深すぎないものの方が良い
- 型の模様プレートは乾いた状態で使う(濡れていると砂糖が溶けてくっつきやすくなる)
- 生地は冷蔵庫から出したてを使う。ぬるくなるとダレてはがれにくいです。
- 離型剤として、生地に粉砂糖かグラニュー糖をまぶす
- 生地は薄すぎるとはがしにくいので、ある程度厚さをもたせる(厚さがあってもちゃんとサクサクになります)
こんなところでしょうか!
形は中国風だが、味はしっかりスペキュロス
焼いている最中から、スパイシーかつ甘い香りが室内に漂っていました。
もう食欲をそそって仕方がないので、焼けて少し冷めたところをすぐに頂きます。
出来上がったものの味は、前に食べたことのあるスペキュロスと全く同じではありませんが美味しいです。
まぶした砂糖の効果か、冷めるとカリカリサクサクになって歯触りもいい。
そして、白胡椒が結構入っているため、後味が辛いんです。そこがあとを引く感じになっている。これは新しいぞ!
先日キャロットケーキを食べた時にも思いましたが、冬の寒さにはスパイシーなものがよく合います。
苦心の末出した模様もなんだか素敵な感じで冬の夜を彩ってくれています。
密閉容器に入れれば日持ちもするし、今時期のお茶やコーヒーのお供に最高です!
そのうち、せっかく買った月餅型で、本来の用途である月餅作りをしたいなと思っています。
でも、中国で月餅を食べるのは中秋の名月か……。来年の秋まで待てるかな。
ということで今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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