「この豚バラ煮込みは出来損ないだ、食べられない。」
と言ったのは山岡士郎。2巻のエピソードです。
そんな東坡肉は皮つきの豚バラ肉を塊のまま茹でて、揚げ焼きして、煮込んで、蒸して……という、家庭料理の豚角煮よりも遥かに手間がかかる料理です。
元々豚角煮大好きな自分は、これだけ手間をかけたらどんなに美味しくなるだろう……と、ずっと作ってみたかった料理の一つです。
ただ、作中に登場する皮つき豚バラ肉は、プロ向けのお店でしか手に入らない模様。今回は皮なし豚バラブロックを使って、作り方だけ漫画に記されている内容通りに作ってみました(一部、うっかりミスありですが……)
それでもとっても美味しくできたので、工程や感想をここでお伝えします!
※こちらは、過去記事に加筆修正して再掲載したものです。
シナモンと八角がポイント!東坡肉風の豚の角煮を作ってみよう!
今回は98円/100gの道産豚バラを使っています。こんな安値は今ではごくごくたまにしか出会えません。ラッキーでした!
道産豚は臭みが少ないので美味しくできましたが、海外産で、臭い強めのお肉を使う場合は風味が変わってくるかもしれません。
ここでは作りやすい量として設定していますが、大体6人分くらい取れました。(脂と水分がだいぶ抜けるので、最終的に900gくらいになりました。今回うっかり加熱前にカットしてしまったため縮み率が高くなってしまいましたが、塊のまま加熱すると歩留まりはもっと良いと思います。)
なお、ガス火を長く使うので、少量よりも一度にたくさん作った方がお得です。
材料(作りやすい量)
豚バラ肉ブロック 1.2kg
醤油 大さじ2
サラダ油 大さじ1
ねぎの青いところ 2本分
しょうがスライス 2かけ分
にんにく 2かけ
シナモン 1/2本
八角 1個
花椒 小さじ2
氷砂糖 30g
紹興酒 150ml
醤油 100ml
オイスターソース 大さじ1
水溶き片栗粉 適量
塩ゆで青梗菜 1株
練りからし お好みで
作り方
- ここでは豚バラ肉を5cm角くらいに切っています(本式ではカットせずに作りますが、勘違いにより最初に切ってしまいました)。これから作る人はこの工程は要りません!
- 大きな鍋にたっぷりのお湯を沸かし、1の豚バラ肉を入れて中火で30分ゆでる。この時点では、お湯に香味野菜等は入れません。
- ゆで終わったら肉を取り出し(汁も後で使うので捨てない)、少し冷まして醤油大さじ2を絡めておく。
- フライパンを熱し、サラダ油を引いて豚バラ肉を焼く。一面焼けたら転がすようにして全面に焼き色が付いたら取り出す。
→ - 鍋に香味野菜とスパイス、調味料を全て入れて焼いた豚バラ肉を入れ、1のゆで汁をかぶるくらい注いで火にかける。
- 二時間煮込み(八角とシナモンの風味が苦手な人は煮込み後30分くらいで取り出すとちょうどいいです)、そのまま火を止めて一晩置く。とっても時間がかかりますね!
- 一晩置きました。冷えて固まった油を取り除きます。
→ - 耐熱皿を用意し、豚バラ肉と煮汁をかぶるくらい入れて蒸気の上がった蒸し器で20分蒸す。蒸し器にジャストなボウルが無く、ラーメン丼に入れて蒸しました。
→ - 蒸しあがったら煮汁を少し取り出し、小鍋に入れて水溶き片栗粉でとろみ付けしておく。もし、煮汁の味が薄いと感じたら、少し煮詰めてからとろみ付けするとよいです。
- お皿に塩ゆで青梗菜(塩+サラダ油を落としたお湯でゆでる)と豚バラ肉を盛り、9の煮汁をかけてできあがり。お好みで練りからしを付けてどうぞ。
ゆでて、焼いて、煮て、冷まして、蒸して……と、面倒な手順が勢揃いですが、この全ての工程をこなして初めて得られるしっとり感、脂身のプルプル感がたまりません。
ただ焼いて煮るだけの角煮だと脂が強すぎたり、赤身部分が固くなったりしやすいんですよね。最後に煮汁に浸して蒸すことで身に水分が戻ってふっくらする気がします。
味は、氷砂糖を使っているせいか甘めの味付けの割にくどくなく、ご飯にしっかり合います。スパイスの風味も本格中華という感じでとても美味しいです。この香りがあるおかげで和風の角煮とは違う料理になっていますね。
ただ一つ残念だったのが切り方。本当は全ての調理が終わってからスライスするのが正しいのですが、今回は凡ミスをかましてしまいました。
今度は塊のまま煮込んで作りたいと思います。
美味しんぼからの憧れ料理だった
冒頭でも少し書きましたが、私と東坡肉の出会いは、かの有名な漫画「美味しんぼ」の初期コミックスです。
2巻の第一話、「手間の価値」という話に登場します。
この頃私はたぶん10歳にも満たないのですが、東坡肉という料理がとてもとても美味しそうに見えたものです。
その憧れを昇華させたいと思いこの料理を作ったわけですが、やっぱり皮つき肉ではないということと切り方が違ったというところで不完全燃焼に終わってしまいました。
やっぱり皮付豚バラ肉はネット通販するしかないのだろうか。
では、今回はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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