ついに買ってしまったドラムカーダー。
ルエとかアシュフォードとか、海外の有名メーカーのものではなく、れっきとした国産品です。
羊毛(または綿)細工をされる方ならご存知かもしれませんが、国内でハンドメイドのドラムカーダーを製作されている方がいるのです。
そちらから購入しました。
今回はこのドラムカーダーが届いた喜びとともに、使用感をお伝えしていきます!
小樽市でドラムカーダーを作っている職人さんがいる
最近になってドラムカーダーがすごく欲しくなり(理由は後述)、ネットで色々探したところ、海外大手のものは6万円とか、ものによっては10万円もする。
私が羊毛細工を始めた頃(10年近く前)に比べると数万円値上がりしているものも。
さすがにこれは躊躇するぞ……と悩んでさらに調べると、ヤフオクで個人作成のドラムカーダーを発見!
制作風景もアメブロで見つけることができました。
(作っていらっしゃる方、国内で一人だけだと思うので、ヤフオクやアメブロで検索すればすぐ出てきます)
お値段は4万円しないくらいで、海外製品よりも格安。見た目もしっかりしている。
こちらを使用されている方の使用感を知りたくて検索すると、数少ないながら情報は出てくる。(やっぱり、ルエやアシュフォードを愛用されている方が多いんですよね)
個人製作でもちゃんと使える品質ということも確認できたし、製作者が国内にいらっしゃるということはメンテナンス等の相談もしやすいのではという判断で、こちらを購入することにしました。
メール等でやり取りしていると、なんと製作しているのは札幌市のお隣、小樽在住の方。ただならぬご縁を感じたものです。
ただ、お一人で作られているようで生産台数が少ないうえ、作業場に暖房がないため春にならないと本格的に作業ができないとのこと。しかも、私が連絡したとき(3月頭)には既に他の方の予約が入っている状態でした。私の後にも続々購入希望者が出現しているらしい。
待つのはもともと覚悟していたので即答で予約し、GW前くらいに私の分が完成して発送して頂けたというわけです。
詳細な説明書付きのしっかりした構造のドラムカーダー
札幌市のお隣の小樽市発送ですから、完成の連絡が来た日にすぐ振り込みをして、翌日には家に届きました。
100サイズの箱に、しっかり梱包されたドラムカーダーと付属品、説明書が詰まっています。
この、添付された説明書のボリュームが多く、作って売って終わりではない、使う人が長く愛用できるように配慮されていることがわかります。
ちょっとやそっとの不具合は説明書を読めばどうにかできそうな気がする。
本体は4万円を切るという価格なのにとてもしっかりした構造で、しかも、ブログを拝見すると日々改良に努めておられるようで、個人でここまでされていることに頭が下がります。
ゴムバンドとハンドルは自分で取り付ける必要がありますが難しくはなく、すぐに使えます。
生木の状態なので、実際は使用前に乾燥防止と艶出しのためシアバターを軽く塗りこんでいます。
説明書によると蜜ろう推奨らしいです。
シアバターでも自然な艶が出てきれいになりました。せっかくなので大事に使いたいですよね。
試運転してみます
サイズは炊飯器くらいです。ドラム幅が15cmくらいで、全幅20cmとちょっと。
最も普及しているであろうアシュフォードのドラムカーダーよりも少し小さいようですが、その分場所をとらないので、ごちゃつきがちな作業場所に置きやすいです。
ドラムカーダーは過去に一度だけ、羊毛細工のワークショップで使わせてもらったことがあります。
それはルエのものでしたが、大体構造は同じだと思います。アシュフォードの教本や動画なども見て予習してから実践に臨みます。
大ドラムから羊毛をはがすとき針から手を守るために、片手だけでも綿手袋など着用した方がいいです。
使う羊毛は最初は単色で、ポルワスのスカードです。15gの羊毛を入れてみる。(4回くらいに分けて入れた)
毛の房を適当にほぐし、巻き込み口に適量並べてぐるぐる回す。
回しては羊毛を並べて、を繰り返して、小ドラムにまで羊毛が付いてくるようになったら追加をやめる。
一回のカード掛けでこれくらいになりました。つぶつぶとネップがあるのは仕方がない。紡ぎながら除去します。
これくらいになると、かなり紡ぎやすくなる。しかし、一回に15gだとちょっと多すぎたかもしれない。
本当は2~3回カード掛けするともっとふわっとすると思いますが、とりあえず一回でやめておく。
次は混色してみます。やっぱりドラムカーダーの醍醐味は混色ですよね!
初めてなので複雑になりすぎないように2色。シェットランドの白とメリノの青、せっかくなので別種の羊毛で。シェットランド×メリノ半々、ホルストガーンのスーパーソフトと同じ配合。
今度は量少なめで、ポルワスよりも減らして5g×2の10gです。
ストライプ上に羊毛を並べて、小さいドラムの方から少しずつ羊毛を入れてぐるぐる回して、色を重ねていく。
一回回してこんな感じになりました。
これを縦に割いて二回目のカーディング。
そして三回目までかけてこのように。このへんでやめておくか。
できあがったバッツ。いやー、ハンドカーダーで作るローラッグと違い、軽やかできれいです。
紡ぎやすそう、でもこのバッツのままでしばらく鑑賞したい気もする……。
しかし、結局毛糸に紡ぎました。このまだら加減がいいですよね。
もっと多色を混ぜると、本当に夢のような色合いになったりして、作業しているだけで癒されます。
これは4色くらい混ざったもの。
ピンク、オレンジ、ミントグリーン、パープルが混ざっている。「夢色」ってこんな色かも。
ドラムカーダーが欲しかった理由
なぜ急にドラムカーダーが欲しくなってしまったのかというと、実は昨年の冬、手紡ぎ毛糸の編み物をたくさん頼まれる機会がありまして、ちまちまとハンドカーダーで作業して腕の筋を傷めてしまったのですよ……。
手袋一足分くらいならすぐですが、このときはマフラー(150cm)1本、手袋3足分の毛糸を一気にカード掛けしたもんだから、数日にわたる作業になってしまったのです。
ここで体力の限界を感じてしまったわけです。今年の冬もたくさん編み物を頼まれるかわかりませんが、ドラムカーダーはいずれ買うつもりでしたのでいい機会かなと。
そしてもう一つ。
羊毛仕事なんて秋冬にやればいいのになぜこの春に欲しくなったのか。それは言うまでもなく道路族ストレスを緩和するためです……。
どうせ作業に没頭するなら、周りのうるささも気にしないくらい集中して、ストレス解消も兼ねたい!という自己満足のためでした。
混色作業はカラーセラピー的な効果もあるのか、時間を忘れるほど没頭しました。
実際、ドラムカーダーが届いた日は6時間ぐらいずっと作業してたもんね。
しかし、昨年は同じ理由でミシンを欲して、今年はドラムカーダーとはなんとも欲深なことよ……。
ともあれ、国産で安価で、しかも地元が近いという嬉しいご縁もあって、無事ドラムカーダーを家に迎え入れることができました。
これから羊毛をどんどん混ぜて、どんどん紡ぐぞ……。
きれいな色に混ざったら、このブログに掲載していきます(興味がある方がいるとは思えないが、自分用の記録としてすごく役立っている)。
ということで今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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