とあるお菓子が作りたいのですが、それにはリコッタチーズを使用するのです。
品揃えが良いスーパーに行けば手に入らないこともないが、うちからはちょっと遠い。
そのお菓子のレシピを探すと、リコッタの代用でクリームチーズを使うものも多いので、妥協しようかとも思いました。
が、調べると「リコッタチーズの作り方」なるものがネット検索によって出てくる。
そのどれもが、牛乳または牛乳+生クリームに酸(酢やレモン汁)を加えて作るというもの。
これ、カッテージチーズでは?と思いつつも、もしかしたら温度や分量の違いで別物になるのかも、と、牛乳からリコッタチーズ(?)を作ってみることにしました。
牛乳とレモン汁で作る凝固物はリコッタチーズなのか
本来のリコッタチーズはチーズを作った後の乳清(ホエー)を再加熱して凝固させて作るもの。
だから脂肪分はほとんどチーズに取られるため低脂肪、そしてホエーに残りやすい乳糖が多い構成になる。
このような理由から、牛乳そのものを酸で固めるカッテージチーズとリコッタチーズは別物になります。
無調整牛乳を凝固させると本来のリコッタチーズよりも脂肪が多くなります。
まして、コクや滑らかさを出すために生クリームを加えるとなると、全く別物になってしまうのでは……。
ということで、今日は牛乳とレモン汁(と調味のための塩、用意したけれど使わなかった)だけで作ります。
本当にリコッタチーズに近づけるためには低脂肪乳や無脂肪乳を使うべきなのかもしれませんが、やっぱり休校の間は「牛乳の消費拡大」を重視したいので、普通牛乳を使用します。
牛乳500mlを鍋に入れ、60℃近くまで温める。カッテージチーズを作るときはここで沸騰寸前まで加熱してしまうのですが、低い温度でやめることで何か変化が出るだろうか。
レモン汁を加えてヘラで軽く混ぜ、凝固してきたら蓋をして10分ほど放置。
レモン汁を入れてすぐにモロモロに浮いてきました。
10分経つと分離していることがはっきりわかる状態に。
これをキッチンペーパーを敷いたザルで漉します。酸と金属の相性が気になるので、プラや竹のザルがおすすめです。
キッチンペーパーの目が詰まってなかなか水分が落ちません。
ある程度水分が落ちたら受け皿の水を取り除き(この水分もお菓子などに使えるそうです)、冷蔵庫で放置。
2時間ほど経過したあたりでかなり水が切れてきました。
これでもまだ水分をたっぷり含んでいる状態。もう6時間冷蔵庫に置いて、合計8時間水切りしました。
固形物をボウルに移し、ゴムベラで練る。塩味を付ける場合はここで付ける。
一応塩を用意してありますが、お菓子に使うチーズなので入れないことにしました。
練る、と言ってもクリーム状にはならない。大きい粒を潰すようにヘラを押し付けても、やっぱり多少のボソボソ感が残ります。
あと、意外にまだ水気がある。もっと放置しても良かったかもしれない。
ある程度ペースト状になったところで終わりとして、味見します。
味は……、やっぱりカッテージチーズだな。
これまで食べた市販のリコッタチーズよりも濃厚ですね。そしてリコッタ特有の粉っぽさというか、ホロホロ感が控えめです。
風味もちょっと違うような。
こっちの方がフレッシュな感じがあります。出来立てだからという理由以外にも、加熱の温度があると思う。
「再加熱」という意味のリコッタチーズですから、60℃という低温加熱でやめているこのチーズとは、風味が違ってくるのは当然ですね。
でもね、これも美味しいんですよ。牛乳の美味しさをそのまま凝縮させた感じ。
おまけに牛乳のフレッシュさも残っている。
リコッタチーズではないが、美味しいカッテージチーズができました。
500mlの牛乳から、大体180gくらい取れました。
これはリコッタチーズではないけれど、美味しい食べ物だということは間違いない。
このままこれだけではちみつなどをかけて食べたいところですが、別な用途があるのでそれは我慢……。
このチーズをカッサータに使ってみます
そもそも、なぜリコッタチーズが必要だったかというと、「カッサータ」というお菓子を作りたかったからです。
泡立てた生クリームとリコッタチーズを混ぜ、ドライフルーツやナッツやチョコなどを入れて固めたアイスクリームのようなお菓子。
どこだったか、イタリアンレストランのデザートで食べて美味しかったのでいつか作ってみたかったのです。
今日出来上がったチーズはそもそもリコッタチーズではない気がしますが、カッサータには生クリームが入るんだし、多少脂肪分が入ったチーズでも問題ないだろうと判断しました。
とりあえず今日はこのリコッタ(?)チーズを冷蔵庫でしっかり冷やして、明日、カッサータを作っていきたいと思います。
今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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